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Fit to StandardアプローチによるERP導入とは?
なぜDX時代に求められるアプローチなのか分かりやすく解説

「Fit to Standard」とは、業務内容をERPに合わせて導入していく手法で、近年注目を集めています。以前は、カスタマイズで業務内容にERPを合わせていく手法が主流でした。

今回のコラムでは、Fit to Standard について。そして、DX時代においてなぜFit to Standardが求められるのかについて解説します。

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Fit to Standardとは

「Fit to Standard」とは、ERP導入する時に、アドオン開発を追加で行わずに、業務内容をERPの標準機能に合わせていくやり方です。

追加のアドオン開発を行わないため、短期間で低コストでの導入が実現可能です。また、ERPのバージョンアップに合わせ、常に最新の機能を使うことができる点が魅力です。

もちろん、全ての業務内容をERPに合わせることは難しい場合もあると思います。また、今まで慣れ親しんだやり方を変えることで、短期的にはERPを日々の業務で使う人にとっての運用負荷が高くなる場合もあります。

しかし、SAP社が提供しているERPをはじめ、各業界を代表する企業の業務プロセスをベストプラクティスとして取り入れて作られたソフトウェアです。従って、長期的な視点を持つと、ベストプラクティスを採用するメリットの方が大きいといえます。

Fit & Gapとは

もちろんFit to Standardではなく、業務内容に合わせてERPの使用を変更していくやり方もあります。そのアプローチ手法をFit & Gapと言います。

例えば、特に日本企業においては、自社独自の業務プロセスや、独特な商習慣に合わせ、プロセスをアドオンという形で追加開発することが主流でした。ERPの導入プロセスでは、実現したい業務の内容と、導入を検討しているERPに搭載されている機能を比較し、ERPの機能と企業が求めている機能がどれだけマッチしているかを分析(フィット&ギャップ分析)します。この時に、ERPの機能に業務を合わせていくのが先ほどご紹介したFit to Standardです。一方、ERPに無い機能をアドオンで開発し、システムと業務の適合しない部分(ギャップ)を特定することで、そのギャップを解消するためにカスタマイズを行い補う手法がFit & Gapです。このような手法を取り入れた場合、当然ながら導入時に必要な期間と費用は、Fit to Standardのアプローチを採用した場合と比べて非常に大きくなります。

また、独自のシステムを構築した結果、ERP自体の機能拡張やアップデートが行われても、アドオンした機能との互換性がないため最新の機能が使えないなどといった、柔軟性に欠けるレガシーシステムが出来上がってしまうという問題が生じます。経済産業省のDXレポートでは、本来、データ利活用の基盤となるべき基幹系システムが、肥大化、ブラックボックス化してしまい、DXの障害となっていることが指摘しています。つまり、自社のニーズに合わせてカスタマイズを繰り返したことの弊害といえます。

Fit to Standardによるメリット

Fit to Standardには様々なメリットがあります。具体的には、①追加開発を行わず標準機能を最大限利用が可能です。②業界のベストプラクティスを活用でき、ERP導入を短期間で低コスト実現できます。③定期的なアップデートにより、常に最新の機能を利用できます。

例えば、クラウド版のSAP S/4HANAは、四半期ごとにアップデートされるため、常に最新リリース環境で利用できます。近年は、クラウド版のERP採用が増えていて、Fit & Gap と比べて、Fit To Standardの考え方がより重要になっています。

日本のある大手商社での事例として、海外現地法人および海外事業会社にSAP S/4HANA Cloudを採用しました。既存のSAP ERPからの移行ではなく、Greenfield(新規にSAP S/4HANAのシステムを構築する方法)でSAP S/4HANA Cloudを導入し、標準化を徹底し、アドオンを90%削減することに成功しました。また、導入プロジェクトではウォーターフォール型ではなくアジャイル型を取り入れ、四半期ごとにアップデートされていくSAP S/4HANA Cloudの進化を取り入れることにも成功しています。

DX時代における基幹システムのありかた

データの収集と利活用によりDXを実現することが求められる中、ERPの導入を通じてリアルタイムに経営状況を分析し、把握できる基盤を構築することが重要です。

しかし、最新のERPを導入したとしても、そのシステム自体が巨大なレガシーシステムになってしまえば、DXを推進することは困難です。

現在の変化の激しいビジネス環境においては、ERPに必要な機能の要件定義を行ってから、システムが本格稼働するまでの間に、社会経済状況が大きく変わる可能性があります。事業内容が変化し、当時必要だった機能が不要になる場合もあります。

このような時代には、従来のウォーターフォール型ではなく、アジャイルやマイクロサービスといった手法で、顧客や市場の変化に柔軟に対応しつつ最新技術を取り入れていくことが重要です。単にERPを新しくすれば良いということではなく、継続的なイノベーションを可能にする経営基盤を構築することが求められています。そういった背景を踏まえ、Fit to StandardはまさにDX時代に求められるERP導入手法といえるでしょう。

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