SAPのソリューション

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進などの経営課題の解決に向けて、ERPソリューション、クラウドアプリケーションや開発・運用基盤を組み合わせて、グローバルなエコシステムを構築のためのソリューションです。

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業種や規模によって企業の課題は経営課題、業務課題、システム課題など多様です。さらにそれぞれ課題は単一分野の課題だけではなく、相互に関連することで複雑になっています。

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日系企業のグローバル展開に伴う、システムのグローバル化需要に応えるために、NTTデータグループにおけるSAP事業の中核会社を設立し、国内のグループ会社に分散しているSAPソリューション、業務ノウハウの一体化を図り、戦略的な事業経営を目指します。

SAP Basisとは

SAP Basisとは、すべてのSAPのアプリケーションがスムーズに機能するための技術的基盤です。

今回のコラムでは、SAP Basisにフォーカスを当て、どのような役割を担っているのか。そしてその特徴とSAP Basisの運用業務を整理して、具体的にご紹介します。

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SAP Basisとは

SAP Basisとは、SAP ERPシステムのミドルウェアコンポーネントを指します。一般的なアプリケーションとは異なり、SAPソリューションは、OS上にアプリを構築するのではなく、OS上にBasisというミドルウェアをインストールし、その上にアプリを乗せるという構造になっています。

SAP Basisというミドルウェアがあることで、OSやデータベースが異なっていてもアプリの構成に与える影響は無くなり、開発が容易になるというのがSAP ERPのポイントの一つです。

なお、SAP BasisというのはSAP R/3時代の名称の名残で、2000年には「SAP Web Application Server」に呼称が変更となりました。そして、2004年からは「SAP NetWeaver Application Server」に変わりました。ちなみに、NetWeaverはNetとWeaverからなる造語で、「ネットワークを編む人」という意味です。各アプリケーションの技術基盤を統合するものを指す言葉として、「SAP NetWeaver Application Server」という呼称が使われています。

SAP Basis(NetWeaver 7.5)の特徴

現在リリースされている最新版のNetWeaver 7.5は、SAP S/4HANAだけではなく、SAP Business Suite Enhancement Package 8においても利用できます。そのため、SAP HANAに限らず、他のデータベースもサポートしています。

従来のERPとの互換性を保ちつつも、NetWeaver 7.5は SAP HANAの強力な能力を最大限活用できるように最適化されています。

例えば、データベースに依存せずABAPから使用するOpen SQLやSAP HANA、 およびABAPで使用可能なデータモデルの定義や利用のためのサービスであるCore Data Services(CDS)などの領域で、新たな機能が実装されています。

その他、SAP HANA に最適化されたABAPプログラム開発をフルサポートする統合開発環境であるEclipseツール(ABAP Development Tools in Eclipse)が拡張されました。結果、AMDPデバッガーやCDS graphical editorのような新機能が搭載され、より効率的な開発が可能になりました。また、SAP Fioriアプリケーションの開発を容易にするため、効率的なプログラミングモデルが提供されています。

なお、2020年2月に、基幹系アプリケーション「SAP ERP 6.0」のメインストリームメンテナンス期限が2027年末まで延長されたのに伴い、NetWeaver 7.5および7.31、7.4のサポート期限も2027年末まで(オプション延長保守サービスは、2030年末まで)に延長されています。

SAP Basisの運用業務

SAPのERPシステムにおいては、技術基盤部分の運用業務が重要です。SAP Basis運用において想定される業務の内容は以下のようなものです。

業務の種類 内容
稼働管理 SAP アプリケーションの稼働監視業務、パフォーマンス監視やチューニング業務、リソースの監視業務
運用管理 定常(日次・週次・年次)報告業務、バックアップ運用業務、ユーザー管理業務、SAPシステム管理業務、マイグレーション、アップグレード
障害管理 障害切り分けから対応、予防保守業務
変更管理 設定変更、更新プログラムの適用などを管理
その他 SAP ERP システムに関するお問い合わせ対応や調査対応

SAP Basisの運用は、ミドルウェアが主な領域になるため、ミドルウェアを起点にして、上にアプリケーション、下にOSがあります。どちらにも関連する業務であるため、Basisの運用には、幅広い領域の深い知識が必要です。

SAP社が提供するSAPコンサルタント認定制度には、こうしたSAP NetWeaver関連業務の資格があります。SAP NetWeaverの3つのバージョン(7.3、7.4、7.5)ごとに認定資格が存在しますが、最新版である7.5では、SAP HANAやオラクルデータベースなど異なるデータベース製品別の資格が用意されています。

こうした認定を取得すると、SAP社が提供しているSユーザー登録が可能です。登録後、SAP社が提供するノート(Note)やナレッジベースアーティクル(KBA)にいつでもアクセスができ、SAPシステムの最新ナレッジを常に閲覧することができるようになるというメリットがあります。

SAP Basisのアウトソーシング

上記のように、SAP Basis運用業務にはサーバや OS、データベースの経験が必要であり、システムの運用管理者の負荷と運用コストが大きくなる場合があります。

そのため、多くの企業では、Basis 運用を上記の認定資格を持つコンサルタントや、類似業務の経験のある企業にアウトソーシングする傾向にあります。Basisの運用業務は、OSやデータベースなどのプラットフォームシステムに依存する内容であるため、SAP ERPの稼働環境としてクラウドを選択する場合は、Basisの運用もクラウドサービスの提供事業者に委託することが多いようです。

専門家による運用なので安心できる、自社での人材育成コストが削減可能、障害発生時における迅速な対応、運用・保守業務が属人化しない、などがアウトソースのメリットと言えますが、アウトソース先を選定する際には、専門知識と運用実績(要員数、経験年数、利用企業の規模など)、サービス範囲や費用体系等を確認することが重要といえるでしょう。

このように、従来のSAP ERPでは非常に重要な役割を担ってきたSAP Basisですが、今後はSAPシステムのクラウド化の流れにより、その位置づけも変わっていきます。SAP S/4HANAやSAP S/4HANA Cloudへの移行の流れの中で、構築や運用の役割も変わってきます。新しいアーキテクチャを意識した体制で、そのメリットを享受しましょう。

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