SAPのソリューション

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SAP S/4HANA Cloudとは?その特徴と活用ポイントをご紹介

SAP S/4HANA Cloudは、従来の作り込みを排除し、四半期毎に更新されるバージョンアップを通じて、常に最新の状況にすることが可能としたSaaS型の製品です。

今回のコラムでは、SAP S/4HANA Cloudの特徴。そしてその活用ポイントについて解説します。

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SAP S/4HANA Cloudの特徴

クラウド版のSAP S/4HANAは、SaaSで提供されているアプリケーションであり、月額利用料を支払うことで迅速な導入が可能です。予め用意された機能群から、必要な機能と不要な機能をそれぞれオンオフにでき、短期間/低コストで導入することが可能なほか、四半期ごとのアップデートにより常に最新リリース環境が利用できることが特徴です。

例えば2019年8月のアップデートでは、新たにRPA(ロボティックプロセスオートメーション)機能と、組み込み分析機能が新たに追加されました。

また、オンプレミス版では、新UIであるSAP Fioriベースのトランザクションと従来のUIであるSAP GUIベースのトランザクションが利用できるのに対し、SAP S/4HANA Cloudは新UIであるSAP Fioriベースのトランザクションのみとなっています。これもオンプレミス版との大きな違いと言えます。

SAP S/4HANA Cloud, essentials edition (旧 multi tenant edition (MTE))とは

パブリッククラウド版は、複数のユーザー(テナント)が同じクラウドを共有する仕組みのため、マルチテナント型があります。アドオンレスでの導入が基本で、機能拡張についてはあらかじめ用意された拡張オプションや、SAP Cloud PlatformによるPaaSベースの拡張を前提とすることで短期間での導入/低コストを実現するというメリットがありますが、他方、ユーザー企業がERPアプリケーションを細かく管理できないというデメリットもあります。従来の ERP導入ではプログラムの拡張やアドオン開発という作業がありますが、パブリッククラウド上で行える拡張は「キーユーザー拡張」と呼ばれるアプリケーション上の拡張と、SAP Cloud Platform で行うSide-by-Side拡張の2種類に限定されています。

SAP S/4HANA Cloud, extended edition (旧 single tenant edition (STE))とは

より自由度の高いERPが必要なユーザー向けに提供されているのが、シングルテナント型です。名前のとおり、複数のユーザーではなく、1ユーザー(テナント)のみが利用するプライベートなクラウド環境で提供されるサービスです。

クラウドインフラ、アプリケーション、プラットフォームへの専用アクセス権限が1ユーザーに与えられるため、カスタマイズの自由度がより高くなります。

アドオン開発も従来のオンプレミスと同様に可能であり、それによりユーザー企業独自の業務プロセスを実現することもできます。また、システムのアップグレードはオンプレミス版と同様年に1回実施されますが、アップグレードの可否やタイミングはユーザー自身で選択可能です。

SAP S/4HANAをパブリッククラウドとプライベートクラウドのどちらで利用するかを決定するには、様々な要素を検討する必要があります。

パブリッククラウド版は、月額×利用人数で単純な予算が算出でき、最初から大きな予算を組む必要がないため、短期的に使用する場合や、新規事業の立ち上げに必要になったなど、使いたいときにすぐに導入できるのが大きな利点です。また、継続的なシステム更新やセキリュティ対策はSAPが担当するため、本来のERP導入目的である業務の改善や情報活用などに集中できるようになる、というのも大きなメリットと言えるでしょう。

「標準化された機能・プロセスを軽く、迅速に立ち上げたい」「システム管理はSAP社にやってほしい」という場合はマルチテナント型(パブリッククラウド)、「業務プロセスが複雑で柔軟性が欲しい」「システム管理はこちらで行いたい」という場合はSAP S/4HANA Cloudのシングルテナント型(プライベートクラウドもしくはオンプレミス版)が適しているといえます。

SAP S/4HANA Cloudのポイント

マルチテナントでは、同一のクラウド環境を複数のユーザーが利用するため、システム内のデータアクセスを適切に制御しないと情報漏洩が発生するリスクがあります。このリスクへの対策としては、① 利用者ごとに物理データベースを用意、② 利用者ごとに仮想データベースを用意、③ 共有のデータベースを用意し、利用者ごとのスキーマを利用、④ 共有のデータベースを用意し、共有のスキーマを利用し利用者をIDで識別、などの方法でテナントを分離することが有用です。SAP S/4HANA Cloudにおいては、上記①~④の方法を複合的に組み合わせてテナント分離を実施しています。

また、同じリソースを複数ユーザーで共有しているため、他のユーザーが外部からうけた不正アクセスによって被害を受ける可能性や、悪意のある他ユーザーによりシステムにアクセスできなくなる等のリスクも想定されます。SAP S/4HANA Cloudでは、悪意ある第三者からの不正アクセスを防ぐためにネットワーク境界に複数のセキュリティデバイスを配置し、内部ネットワークをセグメント化しています。また、利用者間の影響については、上記の通りテナント分離を適切に実施し、1利用者への影響が全体におよびにくい構成となっています。

ERPのクラウド活用

従来オンプレミスでの展開が主流であったSAP社のERPソリューションも、SAP S/4HANA Cloudによって本格的にクラウド化が進んできています。さらに、要件に応じてマルチテナント型、シングルテナント型を選択することができ、自社に最適なERPのクラウド化を可能にします。システム自体の運用管理をSAP社に任せることにより、自社にとってより重要なアプリケーションや業務の運用に専念することができます。このようなクラウドのメリットを享受しながらERPを運用することにより、ERPをより活用して価値を最大化することができるでしょう。

なお、より小規模な組織向けには、SaaS型のERPとして「SAP Business ByDesign」もあります。合わせてご検討ください。

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