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コラム

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~プロキャディ・ストーリー vol.01~
どんな状況においても 絶対にあきらめないことが
勝利の可能性に繋がります。

一般社団法人日本プロキャディー協会
副代表理事 清水 重憲 氏

 

プロキャディへのインタビュー企画第一弾は、日本プロキャディー協会副代表理事を務める清水重憲氏です。清水氏がプロキャディとしてキャリアを積み重ねた中で大事にしてきたこと、協会設立に関わった経緯から、プロキャディの人材育成を目指す想いに加えて、株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ(以下 NTTデータGSL)とのスポンサーシップに期待することを語っていただきました。

 

プロキャディの草分けとして協会の創設メンバーに

 

今(2023年6月取材)から27年前、私は大学のゴルフ部に在籍しており、そこでは多くの諸先輩方や同級生がプロゴルファーへの道へ進んでいました。大好きなゴルフというスポーツに関わっていきたいと思いながら進路を決めかねていた私は、とある先輩からプロキャディになってはどうかと勧められました。当時はまだプロキャディという言葉はなく、帯同キャディと呼ばれていました。プロキャディとして生計を立てていくというキャリアを選んだ私は、この業界の草分けといえるかもしれません。
日本プロキャディー協会代表理事の森本は私より年齢は一つ上ですが、大学卒業後1年間会社勤めをしており、プロキャディとしては同期です。プロキャディになって間もない頃に、お互いが帯同していたプロゴルファー同士が行動を共にしており、会話や食事したりするうちに、自然と親しくなりました。
当初プロキャディは、プロゴルファーの付属のような扱いを受けていましたが、27年の間に少しずつ待遇も改善され、働きやすい環境が整いつつあります。しかし、トーナメントを主催する組織団体に意見や要望を出そうとしても、個人の声ではなかなか聞き入れてもらえませんでした。団体として交渉する必要性を森本も感じており、森本と私が中心になって日本プロキャディー協会(以下 JPCA)を設立するきっかけになりました。JPCAは業界団体としての発言力を獲得しただけではなく、プロゴルファーからのプロキャディ紹介や、ハウスキャディを対象にした講習会などの依頼を受付ける窓口としても機能しています。

 

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常に先を読んでプロゴルファーの問いに即答する

 

私が試合中に心がけているのは、不利な状況でも絶対にあきらめないことです。
例えば、2015年に北海道・小樽で開催されたニトリレディスゴルフトーナメントの最終日、残り6ホールで私がついていたイ・ボミプロは首位と3打差がついていました。内心は厳しいなと思いながらも、このコースは上がり3ホールが難しいということもあり、最後まで何があるかわからないとイ・ボミプロを鼓舞し、戦い続けました。その結果、なんと2打差をつけて逆転優勝したのです。あきらめずに全力を尽くせば、勝利の可能性があることを改めて実感しました。
一方、最近の若いプロゴルファーはやや淡泊で、すぐにあきらめる傾向があります。私は、そこをしっかりフォローするよう心掛けています。
もう一つ大切なのは、プロゴルファーからアドバイスを求められた時に、すぐに答えられるように準備することです。コースの状況や試合の流れに応じて、プロゴルファーが聞いてくることを3つから4つほど予測し、答えを常に用意しておきます。コースマネジメントについて聞かれた際に私が悩んで間が空くと、プロゴルファーに迷いが伝わってしまいます。したがって、常に先を読んで即答できるように準備しておくことが重要です。
また、プロゴルファーは直感型の人が多く、特に若手のうちは感覚と勢いで好成績を収めることがよくあります。しかし、ゴルフは自然を相手にするスポーツで、感覚を頼りに勝ち続けるのは困難です。そこで、私たちプロキャディは、過去のデータを集めて自身の知識や経験から現状を分析し、勝率を高めるための情報を提供します。こうして10球打ったら7球はこうなる。だから今はこう打つべきだという論理的なアドバイスこそが、プロキャディに求められるものだと考えています。

 

女性をはじめプロキャディの人材育成を目指す

 

「プロキャディの役割は他のスポーツではどのポジションに該当しますか?」という質問をよく受けます。私たちは、プロゴルファーにアドバイスや指示を与えますが、監督やコーチではありません。野球のピッチャーに対するキャッチャーの役割に似ていますが、キャッチャーもプレイヤーなので同じとは言えません。自動車競技のラリーなどでドライバーを助手席でサポートするナビゲーターが最も近いかもしれません。スポーツの世界においてプロキャディは特殊な存在なのです。

 

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正直なところ、NTTデータGSLさんからスポンサーシップのお話しがあった時には驚きました。しかしその理由を伺うと、プロゴルファーとともにフィールドに立ってサポートする私たちと、お客様をパートナーとしてサポートするNTTデータGSLさんのポジションはよく似ていると腑に落ちました。私たちもNTTデータGSLさんの業務についてもっと理解を深め、そこから学ぶものがあると考えています。
このスポンサーシップに期待することは、NTTデータGSLさんからの発信力によって、プロキャディという職業を一人でも多くの方に知ってもらうことです。このシリーズの一環として、一人ひとりのプロキャディにフォーカスし、プロキャディとしての仕事の楽しさや喜び、難しさを伝える企画が始まります。私に続いてこの企画に登場するJPCA所属のプロキャディたちが、なぜこの道を選んだのか。プロゴルファーとの関わりや今後の目標について、読者のみなさんにお伝えしたいと思います。
これからのゴルフ業界のためにも、若手のプロキャディ育成はJPCAの重要な役割です。男女を問わず、学校を卒業してすぐキャリアを歩む方、異業種から転職される方など、多様な人材にプロキャディを目指してほしいと考えています。このシリーズ企画を通じて、プロキャディという職業の魅力が多くの人に伝わり、志望者が増えることを願っています。

 

 

【清水 重憲 氏 しみず しげのり プロフィール】

 

一般社団法人日本プロキャディー協会 副代表理事。
1974年7月10日、大阪府八尾市生まれ。近畿大学付属高校時代は、野球部で甲子園を目指していたが、近畿大学進学後はゴルフに転身。ゴルフ部で腕を磨いた。卒業後プロキャディとなり、98年には田中秀道に帯同して日本オープンで優勝するなど、プロキャディとしての地位を固めていった。07年には男子は谷口徹、女子は上田桃子を担ぎ、谷口が賞金王、上田が賞金女王に輝き、史上初の「男女2冠キャディ」となった。
以降、これまでツアーで担いだことのあるプロは男女十数人に及び、韓国人プロのイ・ボミ選手の主戦キャディも務め、イ・ボミ選手を15、16年と2年連続賞金女王へサポートした。
現在もプロキャディとしての勝利を積み重ねており、国内最多記録を更新中。常に笑顔で選手に接して、的確なアドバイスをして結果を出す清水は「優勝請負人」と呼ばれ、日本におけるプロキャディという職業を世間に認知させた功績は大きい。

 

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