株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ

コラム

TOP対談 PART 2:確かな信頼を得るために。長期にわたる揺るぎない関係を築いていくために。知識を、スキルを、発想を、プロフェッショナルとして提供していく。のメイン画像

株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ 代表取締役社長 磯谷 元伸(左)と一般社団法人日本プロキャディー協会 代表理事 森本 真祐氏(右)

 

TOP対談 PART 2:
確かな信頼を得るために。
長期にわたる揺るぎない関係を築いていくために。
知識を、スキルを、発想を、
プロフェッショナルとして提供していく。

TOP対談連載の第2回は、いかにしてプロゴルファーやお客様との信頼関係を築いていくかというテーマでお送りします。対談の中で、長期にわたる揺るぎない関係を築きあげることの難しさや、新しい知識や新製品の活用など多くの共通点を見出しました。

 

「同じ船に乗る」という意識を共有する

 

磯谷
私たちはよくお客様に、プロジェクトを円滑に進めていくためには「同じ船に乗る」意識をお互いに持つことです、とお伝えしています。その船が就航地から目的地まで無事に航海するためには、お互いに協力しなければなりません。契約上の甲乙にとらわれずに、パートナーとして一緒に汗をかくという意識を持つことが大切です。お客様と本音で話し合えるような関係を築ければ、目の前の課題を円滑に解決できるだけでなく、中長期的な目標や課題に向けても一緒に乗り越えていけます。最初のプロジェクトを成功に導いてから、さらに高い目標を達成するためにも「同じ船に乗る」という認識を共有することが最も重要だと思っています。もちろん、それには時間もかかります。

 

森本
そうですね。私たちプロキャディも短期間でプロゴルファーから信頼を得るのは難しく、どうしても時間の積み重ねが必要になります。女子のトーナメントツアーであれば年間試合数は38です。そのうち半分を一緒に戦うことができれば、プロゴルファーの癖やキャラクターを把握でき、私たちも確信を持ってアドバイスできます。

 

磯谷
これはあまり起こって欲しくない話ですが、想定外のトラブルが発生し、一分一秒を争う中、リカバリー方法を議論する中で一気にお客様との関係性が深くなることがあります。乗っている舟が嵐に遭っている危機的な状況です。お互いに協力してトラブルを乗り越えたときに、さらにもう一段深いところで信頼されるパートナーになれることがあります。プロキャディのみなさんはトラブル対応について、どうお考えになっているでしょうか?

 

森本
ツアートーナメントを一緒に戦うなかで、プロゴルファーがピンチやトラブルに見舞われたときに、的確なアドバイスをすることが信頼に繋がります。しかし、最近の若手プロゴルファーは、帯同するプロキャディを固定せず、頻繁に変える傾向があります。やはり、朝から晩まで同じプロキャディと一緒に過ごす状況が続くと、若手プロゴルファーの気持ちが煮詰まってしまう場合もあるようです。そのため、気分転換という意味も含めて、2から3週おきにプロキャディを変えていくケースがあります。しかし、少しずつ試合経験を積むうちに、プロキャディを短いスパンで変えることのデメリットに気付いてもらえます。我々協会側としても、長期的に同じプロキャディを帯同することのメリットを、これからも発信していきたいと思っています。

 

磯谷
それは私たちも同じ思いです。すべての案件について毎回のようにコンペを行い、委託先を変えるお客様もいらっしゃいます。ベンダー側も単年度で終わるかもしれない仕事の場合、どこまで全体や先を見てアドバイスするべきか迷いが生じて、期間や範囲が限定され過ぎた仕事にはやりにくさが生まれます。もし次年度に委託先が変わった場合、途中工程から後を引き継ぐベンダーもやりにくいと思います。そうしたお客様のITシステムは不統一で混乱していることがよくあります。ITシステムを導入する際には、自社の事業内容や課題について十分に理解しているパートナーと、時間をかけて取り組むことの価値訴求をより強めていかなければと考えています。

 

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チーム力を高めることがより良い成果を生む

 

磯谷
お客様の事業の成功にIT面から貢献するためには、業務プロセスや商習慣についても、かなり深いレベルまで理解しなければなりません。そこが徹底していないと、せっかく苦労して導入したITシステムが動かない、使いづらいという事態が起こります。業務のプロセスや管理方法を隅々まで把握して、どの部分をどう変えていくのかをすり合わせる作業が重要です。既製品で間に合うもの、新たにつくるものを判断しながら、最も効率のいいITシステムに仕上げていく必要があります。また、日本企業は、組織がタテ割りになっている場合が多く、部門や子会社、国ごとにITシステムがばらばらになっていることがよくあります。企業全体で共通にするべきもの、そしてローカルで運用するものについて、しっかり計画に落とし込んでいくことが重要です。

 

森本
プロキャディも同様に、試合前に帯同するプロゴルファーの状態を把握することが大事です。たとえば、過去のツアートーナメント結果を把握し、ここ何試合かの流れを確認します。もし好調な成績で、いい流れのまま来ている選手であれば、我々プロキャディは余計なことはせず、そのコンディションがキープできるようサポートします。一方で、予選落ちが続き、苦しい状態であれば、励まして気持ちを盛り上げるなど、積極的な声がけを行います。もちろん、ツアートーナメント4日間の試合中に選手が急に調子を崩すこともあります。そのような時は私も内心では慌てますが、選手に動揺が伝わらないように、平常心を装って接し、サポートを続けます。

 

磯谷
私たちが仕事をする際に必ず対応窓口となるのは、お客様企業の情報システム部門です。その役割や位置づけは企業によって異なり、社内の各部門から上がってくる要望や依頼対応に追われ、日々の業務で大変な会社さんもあります。またその逆もあり、情報システム部門が主導権をもって、社内のIT導入をはじめDXを推進しているところもあります。各企業における情報システム部門が、どういう立ち位置で、どのように機能しているのかを正しく把握し、理解しておかないと、プロジェクトが前進しません。私たちは単にITシステム構築を請け負うだけではありません。ITシステムの導入に向けて、経営層の方々にもご協力をいただき、生産部門や管理部門など関連する部署を巻き込んだプロジェクトチームを編成して頂きます。それらチームメンバのサポートやコーディネートも考慮したプロジェクトの円滑な推進が私たちの仕事です。

 

森本
プロゴルファーの中には、私たちプロキャディのアドバイスを聞き入れてくれない方もいます。以前、バンカー越えの50ヤードがどうしても寄らない選手に、こうやって打てば寄る確率をあげられますと助言したところ、「私はこれでいいです」と言って、試してもくれませんでした。そういう選手も、スイングに関してはコーチの指導に従います。しかし、コーチから指導を受ける場所は、まっ平らな練習場で、強い風も吹かなければ、目の前に池があることもない。実際のツアートーナメントの試合では、起伏のあるコースのなかで、さらに風雨にさらされ、バンカーや池を気にしながらショットを打たなければなりません。もしプロキャディが、メンバーとしてチームに加えてもらえたなら、コーチと共に技術やコースマネジメントについて話し合い、プロゴルファーのパフォーマンスをさらに引き上げ、勝利にも大きく貢献できると思います。そのためにも、長期にわたる信頼関係を築けるように現状を変えていかなければと強く考えています。

 

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磯谷
プロキャディの実戦的な知識や経験を活用すれば、プロゴルファーのチーム力を高められるということですね。天候や試合の流れでコースの状況が変化するように、IT業界も常に変化の波が押し寄せています。新しい機能を搭載した柔軟性のあるITツールが次々にリリースされ、私たちも勉強し続けなくてはいけません。製品ベンダーとお客様との橋渡し役である私たちは、お客様の課題解決に最適なITツールを選択します。ただ、実際には広告やカタログで謳われている通りには上手くいかないこともあり、現実と理想のギャップを埋めるのに苦労します。その上、お客様は常に新しいものがいいとお考えになる傾向があります。ゴルフでも新しいクラブやゴルフギアが必ずしも個々のプロにフィットしているとは限らないと思います。このあたりは、常にトップを競うプロゴルファーと実際に接していて感じられることはありますか。

 

森本
はい、どんなに優れた新製品でも、そのプロゴルファーに合うかどうかを見極めることが非常に大事です。プロゴルファーにぴったりのギアを探し続けることがパフォーマンス向上に繋がり、試合の勝敗に大きく影響します。もちろん、選手が打ったボールの球筋やスピンを見て、違和感に気付くには経験が必要ですが、新しい製品が出たら必ずチェックする努力も欠かせません。ギアに関して的確なアドバイスができることも、プロキャディとして信頼を得るために重要なスキルだと思います。

 

次回、TOP対談 PART 3 に続く

 

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