SAP Integration SuiteとSAP S/4HANAの接続について
2023年8月 9日
はじめに
NTTデータ グローバルソリューションズ(以下 NTTデータGSL)に於けるSAP Business Technology Platform(以下 SAP BTP)の位置付けと今回の記事についてご紹介します。
NTTデータGSLに於けるSAP BTPの位置付け
NTTデータ GSLでは、SAP社が提唱するIntelligent Enterpriseの基盤を担うSAP BTPに関するノウハウの蓄積並びにこれを活用したオファリング開発に注力しています。
今回の記事について
昨今SAPソリューションに関するシステム構築の現場において、SAP BTPの名前を聞かない日はないのではないでしょうか。NTTデータGSLでもSAP BTPを有効活用するべく、様々な検証やサービス開発が行われています。
今回は、SAP BTPの中でもIntegrationの核となるSAP Integration Suiteに関するナレッジをご紹介します。
今回はIntegration Suiteを利用する上で利用機会の多い接続であろうSAP Cloud Connector(以下 Cloud Connector)を用いたIntegration SuiteとSAP S/4HANA接続についてのご紹介です。
Cloud Connectorを用いることで、SAP BTPをオンプレミス環境とセキュアに接続することが可能です。
SAP Integration Suiteにご興味があるお客様、システム連携に課題をお持ちのお客様、この記事を読んでご興味を持たれたお客様がいらっしゃいましたら、是非ともお声がけください。 お問い合わせはこちら
SAP Integration Suiteとは
SAP BTPの機能のひとつで、SAPシステムを含む、様々なシステム間の統合を実現するツールです。
また厳選されたSAPパートナーによる事前定義済みコンテンツが利用可能であり、この点により、Integration Suiteの大きなメリットとして、他のEAI製品に比べて、短期導入が見込めます。
SAP Integration Suite(以下 Integration Suite)の代表的な機能は、以下の7つです。
その中でも、今回はCloud Integrationと、上記には含まれていませんが、Cloud Connectorに焦点を当ててご紹介いたします。
1. Cloud Integrationとは
以前、別記事(下記の「過去の記事」からご覧いただけます)でも取り上げさせていただいたIntegration Suiteの中心機能の一つです。
Cloud Integrationは、クラウドおよびオンプレミスのアプリケーション間でのメッセージの処理、変換および転送用のコアランタイムを提供します。
IDocやSFTP、SOAP、OData など主要な連携方式については追加設定が不要で、それら以外のものについても Open Connectors やCloud Connector、API Management を介して利用が可能です。
事前定義済みコンテンツをこのCloud Integrationと組み合わせることで、複雑なフローであっても短期間導入、品質の担保が可能です。
過去の記事
- SAP Business Technology Platform - SAP Integration SuiteでSlackにメッセージを投稿してみました(1) - SAP Integration Suiteとは、SAP社が提供するSAP Business Technology Platformの機能のひとつで、SAPシステムを含む、様々なシステム間の統合を実現するツールです。今回は、SAP Integration SuiteとSlackを連携しました。その一連のプロセスをまとめてみました。ぜひご一読ください。
- SAP Business Technology Platform - SAP Integration SuiteでSlackにメッセージを投稿してみました(2) - 今回は、SAP Integration Suiteの機能の1つであるAPI Managementを利用します。APIプロキシとAPI Business Hub Enterpriseの作成を行い、API Business Hub EnterpriseからAPIを実行してSlackにチャネルの作成とメッセージの投稿を行います。
2. Cloud Connectorとは
SAP BTPとオンプレミス環境を接続するためのツールです。
SAP BTP通信におけるPROXYとして機能し、様々なSAP製品だけでなく、Non-SAP製品とも接続ができます。
SAP BTPのようなクラウドサービスは、通信がインターネットを経由したデータ通信となり、セキュリティ面で不安に思ってらっしゃるお客様も多いかと思います。そこで、クラウドコネクタを利用することで、DMZの構成やFirewallの設定変更なしにセキュアにSAP BTPと既存のシステムを連携できることが大きなメリットだといえます。
設定の流れ
この接続を実現させるためには、以下のステップに則って、構築していきます。
設定自体は慣れていない方でも1週間ほどで設定可能ですが、慣れた方であれば、早ければ半日ほどで設定することが可能です。
おわりに
今回は、Integration Suite、Cloud ConnectorやSAP S/4HANA接続の概要について、ご紹介いたしました。
次回はSAP BTPとSAP S/4HANAの接続について、実際の画面を交えて、詳細をお届けさせていただく予定です。乞うご期待ください。
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