Cloud Integration:Integration Flow Design Guidelinesについて
2024年3月29日

1. 本記事について
本記事ではSAP Business Technology Platform (SAP BTP)のSAP Integration Suite ※1でSAP社から提供されているCloud Integration ※2の事前定義済みパッケージ Integration Flow Design Guidelines の中で特に重要なiFlowを3つご紹介します。
Integration Flow Design Guidelinesを参照することで、開発者は迅速に堅牢でミッションクリティカルなシステムに対応したiFlow ※3の設計が可能です。
Integration Flow Design Guidelinesは、このように(図1)CategoryからiFlowのような構造になっており、開発者は目的に応じて必要なiFlowを迅速に参照することができます。
2. Attachment Handling - Create Attachment
統合フロー内のデータは、Header・Properties・Bodyの3つで構成され、それらを編集することでアウトバウンドデータを作成します。
特徴
このiFlowではHeaderやProperties、Bodyなどの基本的な編集方法が実装されていて開発者にとって参考になります。
HeaderやProperties、Bodyデータの追加がGroovy言語やContent Modifierなどの様々な方法で実装されている事が分かります。
また図3. で示した、XML to CSV ConverterでのXSDスキーマ(XMLの構造を定義したスキーマファイル)に対するパスの指定方法(Path to Source Element XSD)なども有益な情報です。これにより、データへのアクセス方法やデータ構造などを理解する事ができます。
3. File Transfer - Poll And Merge Folder
SFTP(SSH File Transfer Protocol)は、サーバーとファイルをセキュアにやり取りするためのプロトコルです。FTP(File Transfer Protocol)がありますが、現在は特別な要件がない限り、SFTPを使うのが一般的です。
Cloud IntegrationではSFTP Adapterが実装されておりGUIベースで簡単に外部とのファイル連携が行えます。
特徴
外部フォルダからファイルを他のフォルダにSFTPでマージするiFlowです。
SFTP Adapterの使い方で、基本的なディレクトリやファイル名の指定、認証情報の指定方法など参考になる情報です。
また、Looping Process Call(Cloud Integration内でのループ処理)でのループ条件(Condition Expression)の指定方法などもCamel Expressionベース※4に記述されており、ループ条件の実装の際は参考になります。
4. Message Mapping - XML to JSON Mapping
Cloud Integrationには、システム間のインタフェース開発に便利なMessage Mapping機能があります。この機能は、GUIベースでシステム間の項目を繋げる事で簡単に項目を連携することが可能です。
XML To JSON Mapping
Cloud Integration内ではXMLでデータを処理することが多いですが、他システムに連携する際はJSON (JavaScript Object Notation)で出力する事もあります。
その際、異なる2つのスキーマファイル(XSD-JSON)を連携させる必要がありますが、Message Mapping機能(図8、9)を利用することで、GUI操作で簡単に連携することができます。
特徴
XML構造のデータ形式をJSONデータに紐づけて出力するiFlowです。異なるスキーマ形式間のインタフェース方法やMessage Mapping機能の基本的な利用方法が見て取るため参考になります。
5. おわりに
今回の記事では、SAP BTP Integration Suiteの設計ガイドライン、Integration Flow Design Guidelinesについてご紹介しました。本ガイドラインを参照することでCloud Integrationでより良い設計が可能です。
今後も本ブログでは、皆様にお役立ちする情報を提供していきます。