SAPのソリューション

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SAP Integration SuiteとAWS S3を連携して、ファイル転送をしてみました

2024年2月 9日

GSL Tech Blogでは、過去にSAP Integration Suiteについてご紹介してきました。 SAP Integration SuiteはSAPシステムを含む様々なシステム間の統合を実現するツールです。 今回はSAP製品以外のシステムとして、Amazon Web Service(以下 AWS)のサービスに含まれる機能のひとつである、Amazon Simple Storage Service (以下 S3)との連携方法についてご紹介します。 ぜひ、ご一読ください。

1. 今回の検証範囲

SAP Integration SuiteとS3と連携をし、バケット内のファイル転送を行います。

なお、本記事ではAWSのアカウントをすでに持っていること、そしてAccessKey、 SecretKeyとCA証明書を取得している前提で解説します。実施する際には別途ご登録をお願いします。

2. 実装手順

本記事では、以下の手順で実装しました。

  • AWS Adapterの導入
  • 認証キー設定
  • Cloud Integrationを用いたフロー作成
  • フローのデプロイと実行結果

以下、詳細です。

2-1. AWS Adapterの導入

2-1-1. SAP Business Accelerator Hubにアクセス

SAP Business Accelerator Hubにアクセスし、Amazon Web Service Adapter for SAP Integration Suiteのページを開きます。

integration-suite-and-aws-s3_01_ver02.png

1-2. ファイルをダウンロードし、解凍

下にスクロールし、Download LocationからSAP CP IS ADAPTER BASE PACK>SAP CPIS AWS ADAPTER>CPISADPTAWS_8-70006132.ZPIを選択します。ダウンロード後、解凍します。

integration-suite-and-aws-s3_02_ver02.png

2-2. 認証キー設定

2-2-1. AccessKeyとSecretKeyの設定

Integration SuiteのHome>Monitor>Integrations and APIを選択後、Manage SecurityのSecurity Materialをクリックします。

integration-suite-and-aws-s3_03_ver02.png

Create>Secure Parameterを選択し、AccessKeyとSecretKeyを設定します。

integration-suite-and-aws-s3_04_ver02.png

2-2-2. CA証明書の設定

Manage SecurityのKeystoreを選択します。

integration-suite-and-aws-s3_05_ver02.png

Add>Certificateを選択し、事前にダウンロードしたCA証明書を設定します。

integration-suite-and-aws-s3_06_ver02.png

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2-3. Cloud Integrationを用いたフロー作成

2-3-1. パッケージ作成

Integration Suiteを開きDesign>Integrations and APIs>Createを選択し、任意のパッケージを作成しSaveします。

integration-suite-and-aws-s3_08_ver02.png

2-3-2. AWSアダプタの導入

ArtifactsタブにてAdd>Integration Adapterを選択し、2-1-2. でダウンロードしたアダプタを選択します。

integration-suite-and-aws-s3_09_ver02.png

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アダプタ導入後、Deployします。

integration-suite-and-aws-s3_11_ver02.png

2-3-3. フローを作成

Add>Integration Flowを選択し、任意のフロー名を設定します。設定後、フローをクリックすると以下画面が表示されます。Editを押し、編集を開始します。

integration-suite-and-aws-s3_12_ver02.png

SenderとStartをつなぎ、AmazonWebService>S3を選択します。

integration-suite-and-aws-s3_13_ver02.png

Sender側のAWSアダプタを以下のように設定します。

integration-suite-and-aws-s3_14_ver02.png

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次に、Receiver側のAWSアダプタを以下のように設定します。

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設定後、全体フローは以下になります。

integration-suite-and-aws-s3_18_ver02.png

2-4. フローのデプロイと実行結果

手順がすべて完了したら、Deployボタンを押し実行します。実行成功すると2-3-3. で設定したAWSアダプタのDirectory, File NameにCSVファイルが配置されます。

integration-suite-and-aws-s3_19_ver02.png

フローのステータスはMonitor>Integrations and APIs>Manage Integration Contentsから確認できます。

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3. おわりに

今回の記事では、SAP Integration SuiteでS3上のファイル転送を実装してみました。冒頭でも述べましたようにサードパーティー製品との連携も容易に行え、ノーコードでのフローの作成が可能です。

また、2-1-1. で紹介したSAP Business Accelerator Hubではアダプタの検索・導入だけでなく、シナリオごとのサンプルフローやAPIが提供されており自身の環境にインポートすることができます。

今後も本ブログでは、引き続き皆様にお役立ちする情報を提供していきます。

参考