SAP Business Technology PlatformABAP環境とオンプレミスシステムを接続してみました
2022年5月23日
- SAP BTP
- データ連携
- 業務効率化
はじめに
SAP Business Technology Platformとは
SAP Business Technology Platform(以下 SAP BTP)は、インテリジェントなエンタープライズアプリケーションとデータベースおよびデータ管理、分析、統合、拡張機能を含むプラットフォームとして、すべてのSAP社が提供するソリューション、サードパーティアプリケーション、およびデータ資産を統合および拡張できるようにするツールと製品のセットです。
今回の検証環境
今回の検証はオンプレミスシステム側でSAP Cloud Connectorを、SAP BTP - ABAP環境上でデスティネーションを設定します。その後、Remote Function Callを利用してオンプレミスのシステム情報を読み込むことでSAP BTP⇔オンプレミスシステム間の接続確認を行いました。
本検証で利用するSAP BTP - ABAP環境は、SAP社が提供するABAP開発のためのPaaS(Platform as a Service)であり、開発者はSAP S/4HANAでも活用されているABAPノウハウで、SAP BTPでABAPアプリケーションを開発・実行できることが特徴です。
SAP BTP - ABAP環境とオンプレミスシステムとSAP S/4HANAの接続検証
1.SAP Cloud Connectorの設定
①オンプレミスシステムでSAP Cloud ConnectorからSAP BTPのSubaccountを定義します。
こちらの設定によりSAP Cloud Connectorと接続するSAP BTPのサブアカウントに紐づくことが可能です。
②Subaccountの定義が完了したら、追加したSubaccountを指定し、オンプレミスシステムとの接続を追加します。
こちらの設定により①で登録したSubaccountと連携するオンプレミスシステムがマッピングされます。正しく設定された場合は、StatusとCheck Result欄に緑色の印が表示されます。
※Virtual Host: Virtual情報を利用することで内部ホスト情報を非表示にできます。
③SAP BTP – ABAP環境で呼び出したい汎用モジュールのリソースを追加します。
今回はSAP BTP - ABAP環境とオンプレミスを接続する検証のため、オンプレミスシステムの情報を取得する汎用モジュール指定します。
2.Destinationの設定
SAP BTPのSubaccount設定画面に入り、Cloud Connectorで指定した宛先情報をSAP BTPサブアカウントにDestinationとして保存します。
Destinationの設定はアプリケーションからオンプレミスへのアウトバウンド通信の接続を定義するために必要な設定です。
3.プログラムの作成
クライアント環境の開発ツールであるABAP Development Toolsを開き、下記の様に入力してオンプレミスシステムのシステム情報を取得するコードを追加します。
また、i_nameには2で設定したDestination名として置き換えます。こちらの設定により設定済みのDestinationから1-②で追加したオンプレミスシステムの情報を取得する汎用モジュールを呼び出すことができます。
4.結果確認
3で作成したテストプログラムを実行します。ABAP Development Toolsのコンソールからホスト名、システムID、IPアドレスなどのオンプレミスシステムの情報が取得されることを確認します。
終わりに
オンプレミスシステムの統合として今回は簡単な設定でSAP BTP - ABAP環境とオンプレミスシステムの通信方法についてご紹介しました。
最後にSAP BTP ABAP環境を利用するメリットについてご紹介したいと思います。
メリット
SAP BTP – ABAP環境を利用するメリットとしては大きく以下の3点が挙げられます。上記のメリットに加えて、SAP BTPを導入することでデータ活用、Side-by-Side拡張開発などSAP BTPを効率的に利用する環境基盤が作られます。
今回紹介しきれなかった機能についてはSAP BTPトライアル環境でも試すことができます。SAP BTPへ興味がある方は是非試してください。
本ブログでは、今後も皆様にお役立ちする情報を提供していきます。