チャットボットの用途は問合せだけではない! SAP Conversational AIを使ってデータベースを停止する試み(1)
2021年11月26日
- 業務効率化
- 自動化
はじめに
以前の記事では、MicrosoftのPower Virtual Agentsを使って問合せ用のチャットボットの作成方法を紹介しました。これは、ノーコードで簡単に作ることができ、問合せ窓口として十分に使えるサービスだと思います。皆さん、お試しいただけましたでしょうか?
前回の紹介をご覧になり、チャットボットは質問応答しかできない、と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、実はチャットボットの用途は問合せだけではありません!
例えば、チャットボットを使ってデータベースを制御すること。本来データベースを制御するには、ブラウザから専用ページにアクセスし、手動で起動・停止のボタンをクリックしないといけませんが、その一連の操作をチャットボットが代わりにやってくれます。具体的には、「データベースを起動して」と、一言チャットボットに伝えるだけ、他の手間は一切ありません。
そこで、今回はそのようなシステムを制御できるチャットボットとその作成方法を、2回に分けてご紹介したいと思います。
SAP Conversational AIの特徴
SAP Conversational AIには以下のような特徴があります。
Power Virtual Agentsに近い特徴もありますが、分析の軸をはじめとする、細かい部分に違いがあるので前回の記事と比較してみると面白いと思います。
チャットボットのセットアップ
まずは、SAP Conversational AI にアクセスし、ログインします。下記の図のような画面に移行します。そこで、New Botを押すとチャットボットの初期設定画面が表示されます。
Perform Actionsを選択し、チャットボットの名前とデフォルトで使用する言語、データのポリシーなどを選択します。
今回はデータベースのインスタンスの起動と停止を制御するチャットボットを考えていますので、bot-handler-instanceという名前を付けてみました。他の各種設定を入力し、Createボタンを押すとチャットボットのひな型が作成されます。
インテントの追加
チャットボットは、受け取った文章を意味に応じてカテゴライズすることができます。この時の分類を「インテント」と呼びます。
インテントはTrainタブのIntents内にあるNew Intentを押すと追加できます。図では挨拶の文を意味する『greeting』。データベースの起動に関する文を意味する『start』。そして、データベースの停止に関する文を意味する『stop』の3種類のインテントを設定しました。
インテント名をクリックすると、サンプル文を入力して、学習させる画面が表示されます。ここで入力したサンプル文の傾向をもとに、ユーザから送られてきた文をインテントに関連付けるかどうか判断します。
また、多言語対応しているため、国旗の横の+Add Languageを押すと、デフォルトで指定したもの以外の言語も学習させることが可能です。図はgreetingインテントに挨拶の例文を入力し、学習させている様子です。
同様にStartインテントとStopインテントにも文章を学習させます。
まとめ
ここまで、Conversational AIの特徴からエンティティを用いた単語の認識まで紹介しました。どの様なチャットボットを作成するのかのイメージがつかめたと思います。
次回は、受け取ったメッセージに応じて、チャットボットが返信できる仕組み。そして、APIに接続するなどの具体的な行動を起こせるようになるまでの仕組みをご紹介いたします。
本ブログでは、引き続き皆様にお役立ちする情報を提供してゆきます。