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SAP ERPのアーカイブって?

2022年1月28日

  • データ活用
  • 電子帳簿保存法
テクノロジーの進化により、企業が扱うデジタルデータの在り方、そして量が日々増え続けています。今後も増え続けるデータを、どのように管理し、活用したらよいかとお悩みを抱えていませんか。その一つのアプローチとして、企業が抱える増え続けるデジタルデータを、アーカイブで管理できます。そこで、今回はSAP ERPのアーカイブについてご紹介します。

SAP ERPのアーカイブ機能

皆さんはSAP ERPのアーカイブ機能をご存じですか。実はアーカイブと言っても、いくつかの機能に分かれており一言では表すことが出来ません。今回はSAP ERPのアーカイブについてお話をさせて頂きます。

SAP ERPのアーカイブは大きく分けて以下の3つに分かれます。それぞれのアーカイブについて、次のセクションでご説明します。

なお電子帳簿保存法の観点では、①帳簿、②書類、③スキャナ保存に位置付けられます。

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データアーカイブ

データアーカイブとは、SAP ERPのデータベース内のデータをファイルに保存し、データベースから削除する機能です。

SAP ERPの利用を続けると、当然データは増え続けます。ストレージやメモリを無尽蔵に増やすわけにもいきません。過去の古いデータはデータベースから削除したくなります。しかし、電子帳簿保存法などの関係で会計関連のデータは7年から10年程度の保存が法律上必要で、単純に削除をすることは出来ません。そこでデータアーカイブが必要になります。

SAP ERPのデータアーカイブは、過去のあまり参照しなくなったデータをファイルに書き込み、データベースから削除する機能です。

アーカイブしたファイルは、そのままでは参照できませんが、アーカイブ用のインデックスを作成する事で、SAP ERP標準の伝票照会画面で参照する事が可能です。(全ての照会画面が対応しているわけではありません)

アーカイブファイルは特別な暗号化がされていて、単純にファイルを開いても、文字化けしたようなファイルになり参照する事が出来ません。SAP ERPのサーバを通して参照する必要があります。

SAP ERPの伝票は複数のテーブルで構成されています。テーブル単位で削除を行うと整合性を保つことが難しくなります。このため、SAP ERPは伝票単位にアーカイブオブジェクトというプログラムを標準で用意しています。例えば会計伝票はFI_DOCUMNTというアーカイブオブジェクトを利用します。

このアーカイブオブジェクトのプログラムは、関連するテーブルのデータをセットでアーカイブファイルに保存し、テーブルから該当データを削除します。これにより不整合が起きない仕組みになっています。

皆さんの中にはSAP S/4HANA🄬はインメモリーデータベースなので、Data Agingでメモリから退避すれば問題はないとお考えの方もいらっしゃると思います。しかし、Data AgingはDisk上のデータを参照するためパフォーマンスへの影響があり得ます。データ量が多い会社ではデータアーカイブは必要となります。これは業種・業態にもよります。

データアーカイブは電子帳簿保存法とも密接に関係します。会計データは税法上最低でも7年、最大10年と数カ月の保存が必要です。紙で帳簿情報を残す事でも可能ですが、会計処理はコンピュータで処理を行っている事が一般的だと思いますので、電子的な情報を帳簿として扱いたいと考えます。

その際10年間SAP ERPにデータを保存しておくことはシステムリソースの有効的な活用になりません。データアーカイブを行いSAP ERPのデータベースから削除を行いますが、削除を行ってもSAP ERPの特定の画面から参照が可能に出来ることで、数多くの会社が電子帳簿保存法の帳簿の対応を行っております。

では、以下にデータアーカイブの概要を示します。

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帳票アーカイブ

帳票アーカイブとは、SAP ERPのスプールデータをアーカイブサーバに保存する機能です。

SAP ERPで印刷する時のダイアログボックスでプリンタを指定する代わりに、アーカイブサーバの定義を選択すると、プリンタに印刷する代わりに、アーカイブサーバに印刷イメージが保存されます。保存された帳票ファイルを参照する機能は、SAP ERP標準機能でもありますが、一般ユーザ向けではないので参照用の画面は開発が必要です。

その他、PDFファイルやExcelファイルをSAP ERPの伝票ではなく、アドオンテーブルに属性情報をもたせて独自に帳票を管理する事も出来ます。こちらは汎用的な機能で、SAP ERP以外で作成した資料を管理し、SAP ERP上で検索参照させることが可能です。

帳票のアーカイブは電子帳簿保存法の書類の対応でペーパーレス化を行う目的で実施するよりも、業務上のドキュメント管理を行うために実施する事が多いと思います。帳票作成や管理のソリューションは多数の会社が提供しているため、SAPのソリューション以外で多くの選択肢があります。他のツールとの違いは、SAP ERPの画面(GUIやWebGUI)から、帳票を検索し参照できます。

以下に帳票アーカイブの概要を示します。

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証憑アーカイブ

証憑アーカイブは、外部から受け取る紙の証憑をスキャナで読み込んでファイルに対して、SAP ERPの伝票と紐づけて管理する機能です。

様々な使い方が可能ですが、取引先からの請求書をSAP ERPの会計伝票や請求書伝票に添付して紐づけて管理するイメージです。

SAP ERPの伝票照会画面から、添付された文章の一覧が表示され文書を開く事が可能です。電子帳簿方のスキャナ保存の対応で利用することも出来ますが、電子帳簿保存法に限らず業務の効率化、ペーパーレスの対応で導入されるお客様も少なくありません。

テレワークが世の中に浸透していく中、紙でのやりとりをなくし、SAP ERPの伝票上に文書を添付したやりとりを通じて、ペーパーレス化、効率化を考えるのが自然の流れだと思います。

電子帳簿保存法が2022年1月から改訂されました。様々な条件が緩和され申請も不要となり、タイムスタンプの適用も要件を満たせば不要になっています。

しかし、電子取引の対応には検討が必要です。2年間の猶予がありますが、こちらの対応につきましては様々と課題があるように感じています。

全ての証憑というわけにはいきませんが、証憑アーカイブの機能を使って対応を検討する価値もあるかと思います。

スキャナ保存に対応するソリューションも数多くの会社が提供しています。SAP社が提供するソリューションとの違いは、SAP ERPの伝票に証憑を添付するので、別にデータベースをもたせる必要がなく、SAP ERPの画面(GUIやWebGUI)から証憑を参照する事ができるという事になります。

以下に証憑アーカイブの概要を示します。

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最後に

SAP ERPのアーカイブについてイメージが湧きましたでしょうか。データアーカイブはSAP ERPの標準機能でも、幅広くご活用いただけます。ぜひご検討ください。

また、今年から電子帳簿保存法が大幅に緩和されました。今後、帳票アーカイブや証憑アーカイブの対応も広がっていくと思います。ぜひご興味を持って頂けたら幸いです。

本ブログでは、引き続き皆様にお役立ちする情報を提供していきます。