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RPAによる業務効率化とは?RPAとAIとの違い、高度なRPAの活用事例をご紹介

RPAによる業務効率化への関心が高まっています。

今回のコラムでは、RPAとAIとの違い、AIとの組み合わせによる高度なRPAの活用事例、そしてERPシステムとの連携によるRPAの業務効率化についてご紹介します。

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RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアロボットの活用による業務の自動化を意味します。NTTの研究所で生まれた純国産RPAツールであるWinActorのようなソリューションを利用することで、ルールで定められた業務を自動化し、人が作業するよりもミスなく、そして短時間で定型業務を完了することができます。日本では、少子高齢化による労働人口の減少や、一人当たりの生産性向上を掲げる「働き方改革」などの要因によりRPAへの関心が益々高まっています。

AIとは

AIは、Artificial Intelligenceの略語で、日本語では人工知能と訳されます。AIの定義は、専門家の間でもまだ定まっていないのが現状ですが、「人工的につくった知的な振る舞いをするもの(システム)」、「人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術」などと説明されます。

では、AIの研究はいつから始まったのでしょうか。じつは、AIの研修はこれまで「ブーム」(繁忙期)と「冬の時代」(閑散期)を繰り返してきました。1960年代の第一次ブーム。1980年代の第二次ブームは、技術面やコスト面の課題をクリアできず下火となりました。そして、2000年代に始まった第三次ブームでは、技術の進歩、特に機械学習やディープラーニングなどの技術の発達により、AIの活用が進み、このまま成長を続けていくことが期待されています。

特に日本においては、少子高齢化により2030年には644万人の労働者が不足すると叫ばれており、AIを活用した生産性の向上、不足する労働力の穴埋めが不可欠となっています。さらにAI環境を構築するためのコンサルティングや、そのような環境を支えるアプリケーションやプラットフォームを含めたAIビジネス市場も急成長しており、2030年には2017年比で5.4倍となる2兆1,286億円規模に成長すると予測されています。

RPAとAIの違いとは

業務の効率化、自動化を実現する手段として、RPAとAIが同一視されることがありますが、両者には明確な違いがあります。

RPAは、業務上の判断基準やルールに関しては人が定める必要があり、能動的に判断することができません。決まった業務を自動的に繰り返すのがRPAの基本的な仕組みであり、定例的なルーティンワークの自動化に強みを発揮します。一方、データや情報を分析し、自ら学習し、判断し、結果を出力するのがAIです。機械学習やディープラーニングといった技術革新があり、学習を重ねて判断の精度を高め、非定型業務も自動化することが可能になりました。AIは、AI単体で何かを行えるのではなく、他のシステムやデバイスの中に組み込み、利用されることが一般的です。

現在、単純作業を自動化するRPAはクラス1と分類されますが、RPAにAIを搭載することで自動化のレベルを上げるソリューションも存在します。AI技術による一部の非定型作業の自動化を実現し、より高度な自動化技術の実現はRPAのクラス2に分類されます。そして更なるプロセスの分析や改善、意思決定までを自律的に行うものをクラス3としています。

例えば、ディープラーニング技術を活用したAIとOCRを組み合わせることで、さまざまな手書き文字を正確に認識することが可能です。さらに、そこにRPAと組み合わせることで、手書きの書類の入力を自動化するようなソリューションが実現できます。これは、クラス2に該当します。

一方、どんな業務でも自動処理する汎用的AIはまだ実現していないため、クラス3の実現は、2030年頃と言われています。

RPAの選び方

RPAには、ロボットをPCにインストールする「クライアント型RPA」。そして、ロボットをサーバーにインストールする「サーバー型RPA」の2つのタイプに分類されます。予算や規模、自動化したい業務の種類に応じて、適切なタイプを選ぶことが重要です。

クライアント型RPAは、現行のシステムを変更することなく気軽に導入することができ、初期投資額も少ないというメリットがあるため、部門や個人レベルでの小規模導入に向いています。サーバー型は、RPAの専用サーバーに多数のロボットをインストールし、ロボット自身が運用や端末の管理を行います。専用サーバーの設置等の初期投資が必要で、そして相応のプログラミング知識を持つIT管理者による管理が必要となるため、クライアント型RPAと比較すると導入のハードルが高くなります。ですが、大規模な業務の自動化を目的とするのであれば、サーバー型RPAが適しているといえるでしょう。

RPAで業務を効率化した具体例

ある自治体(東京都港区)では、職員の業務負担軽減を目的として、2018年からRPAの利用を行っております。例えば介護保険課では、要介護認定審査の結果入力を自動化し、空いた時間をミス防止のための確認作業徹底、電話や窓口業務を手厚くすることに活用することで、より充実した区民サービスを実現しました。

また、ある銀行では、AIとRPAを合わせたシステムを開発し、手書きの口座振替依頼書の読み取りと入力作業を自動化しました。手書きの書類は、書類のどこに必要な情報が書かれているかが一定ではないため、クラス1のRPAでは自動化が困難です。しかしAIを組み合わせ、書類のスキャン画像を読み込み、必要な情報がどこにあるかをAIが判断することで、自動化を実現し、業務効率化を実現しました。

RPAとERPの連携

さらに、RPAとERPソリューションを連携することも可能です。取引先からMicrosoft Excelで送付される情報を手作業で集約し、ERPシステムに入力するといった作業をRPAで代替することができ、業務を大きく効率化することが可能です。またウェブサイトやMicrosoft Excel、SAP ERPといった複数のシステムを跨いで自動化を実現できるのもRPAの強みです。例えば、RPAを利用して日次の為替レートをウェブから取得し、SAP ERPの為替レートマスタに自動で反映することで、為替レート入力作業を自動化することが可能です。SAP社も、「SAP Intelligent Robotic Process Automation」を提供しており、SAP社の対話型AIプラットフォームと連携することで、AI技術を駆使した一歩先の自動化を実現することができます。

これからの日本では、RPAを上手く活用し、ロボットが得意な作業はロボットに、人は人にしかできない創造的な作業に集中することで、業務の効率化と生産性の向上を実現することがますます重要になっていくでしょう。

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