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コラム

戸塚カントリークラブ ハウスキャディ講習会レポートコース上の正解は常に一つとは限らない。状況に応じて動くことが求められる。のメイン画像

戸塚カントリークラブ ハウスキャディ講習会レポート
コース上の正解は常に一つとは限らない。
状況に応じて動くことが求められる。

 

戸塚カントリークラブは、神奈川県で60年以上の歴史を誇る屈指の名門クラブとして知られています。2023年5月29日(月)に、「資生堂 レディスオープン」の開催を前にハウスキャディのスキルアップを目的とした講習会を、日本プロキャディー協会の森本真祐代表理事を講師に招いて行いました。その講習の内容、講習直後と実際にプロのトーナメントに参加したあとの参加者の声、そして、講師を務めた森本代表のコメントをお伝えします。

 

小雨の降るコースに出て行われた
トーナメントさながらの実践的な講習

 

5月29日(月)午前10時、クラブハウスの一室に20名のハウスキャディが集まり、講師の森本代表を拍手で迎えました。「みなさんが今日の講習会でどんなことを知りたいか。それを確認することから始めたいと思います。まず、トーナメントに参加したことのある人がどれくらいいるのか教えてください」という森本代表の問いかけから講習会が始まりました。20人のハウスキャディのうち19人がトーナメント経験者で、さすが名門クラブです。次々に手が上がり、プロゴルファーがショットを打つ際の立ち位置やキャディバッグの取り回し、ギャラリーへプレー開始のサインを出すタイミングなど、森本代表への質問が続きました。テレビ中継のためプロゴルファーに近づくカメラやマイクを持つクルーがショットのラインを妨げないようにするといったトーナメントならではの配慮など、森本代表の話を参加者全員が真剣な面持ちで聞き入っています。
熱気に満ちた質疑応答が30分ほど続いた後、実際のコースへ出て実践的な講習に移りました。

 

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時おり小雨が降る中で13番ホールからスタートした屋外講習は、実際にクラブのスタッフがプレーをして、トーナメントを模した形式で行われました。ティーショット時のカート位置やプロゴルファーとの距離、レーキを使って素早くバンカーをならすコツなど、場面ごとに森本代表がお手本を見せながら説明します。
「雨の日はプロキャディの仕事が倍になります。腕が4本ないと足らないくらい忙しい」という森本代表の言葉通り、雨天の難しさは傘を持つ手がふさがるだけではありません。グリーン上のボールを濡らさないようにすることや、プロゴルファーから傘を外すタイミングなどについて、ほとんどの参加者が初耳だったようです。14番、15番とコースを回りながら、ボールの位置関係に応じた動き方や同じ組のキャディとの連携などについて森本代表がレクチャーし、移動する途中もハウスキャディからの質問に答えます。「コース上の正解は一つではありません。プロゴルファーのスタイルやコースの状況によって変わります」という森本代表に、参加者は大きくうなずいていました。
18番ホールのグリーンで6ホールにわたる講義が終了した12時には、雨が上がり、薄日が差し始めていました。クラブハウスの前で森本代表と参加者全員で記念撮影を行い、講習会は盛況のうちに幕を下ろしました。

 

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講習参加者の声

 

Aさん(ハウスキャディ歴20年)

ツアートーナメントと普段の営業では、キャディ業務の内容が異なるため、本日の講習は本当に勉強になりました。「資生堂 レディスオープン」は年に1度しか経験できないため、今年は参加したいと思っていました。久々のトーナメントで、忘れていることも多くて不安がありました。そのような中で、プロキャディの方に教えていただくのは初めての経験で、クラブ内で行っている研修とは全く異なります。森本先生が丁寧に教えてくださったおかげで、自信がつきました。今後の自身のハウスキャディとしてのキャリアにおいても大きな収穫です。

 

Bさん(ハウスキャディ歴14年)

実際のコースに出て、実践と同じ環境のなかで教えていただけるのは、とてもわかりやすくて学びがあったと思います。雨の日には、プロゴルファーやクラブを濡らさないように気を配っていましたが、ボールに傘を差しかけることは初めて学びました。本日の講習で一番印象に残っているのは、キャディ同士の連携についてです。いままではプロキャディとの間に溝を感じており、こちらから何かお願いするのは遠慮していました。次回からは、私のほうから積極的にコミュニケーションをとって、助け合いたいと思います。

 

Cさん(ハウスキャディ歴5年)

トーナメントは未経験ですが、今年は挑戦したいと思っています。まだまだ経験が足りず、立ち位置の基本や、ショットを打つラインにかからないように5歩分離れるなど、実際のトーナメントコースで具体的に教えてくださって、とてもありがたかったです。講習を受けて一番驚いたのは、トーナメントでは試合がスムーズに進行するように、同じ組のキャディと協力する必要があることです。一般営業では、そうした場面を経験することはありません。トーナメントでは気を抜かずに、常に状況を見極めて、動かなければならないことを再確認しました。

 

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トーナメントに参加した受講者の声から

 

実践的な講習がトーナメント本番での
自信と達成感につながった。

 

講習会の後に開催されたプロのトーナメントで、実際にキャディ業務に従事したハウスキャディの方々に、講習を受けて役に立ったことや、気持ちの変化などについてお話を伺いました。
受講後の効果としては、多くの方から「自信に繋げることができた」、「余裕を持つことができた」という声を聞きました。講習で実際の試合さながらに、森本代表とコースを回って学んだことにより、トーナメント本番でもあわてることなく選手をサポートできたそうです。大会3日目は雨のなかで試合が行われたため、講習の内容を十分に活かせてよかったという方も大勢いました。
これまではプロキャディとの間に壁を感じていたハウスキャディも多かったようですが、森本代表の講習を受講し、プロキャディとの壁を感じずにバンカーのならしなどキャディ間の連携がスムーズにできたと喜んでいた方もいました。今までのトーナメントで感じていた不安と緊張が講習会を通じて緩和され、選手へのサポートに集中し、キャディ間の連携に配慮できるようになったのは、講習の大きな成果です。
トーナメントの感想を聞くと、ほとんどの方が今までにはない達成感や満足感を得られたと答えました。また、講習会の学びをトーナメントで実践することにより成長やスキルアップを実感した方も多く、こうした機会を増やしてほしいという要望が多かったことも印象的でした。

 

講習会を終えて

 

日本プロキャディー協会 代表理事 森本 真祐氏
トーナメントの同じ組でハウスキャディと一緒に回ることはよくありますが、このような講習会は私にとっても初めての経験でした。一般営業における4人一組のお客様に対して果たす役割と、トーナメントでプロゴルファーから求められるキャディの役割は大きく異なるため、そこをうまく伝えられるように努力しました。本日はあいにくの天気でしたが、「資生堂 レディスオープン」は梅雨時に開催されるので、雨の中の動き方を実践できたのは、かえって良かったと思います。
トーナメントでは緊張もしますし、普段よりも神経を使うので、敬遠するハウスキャディの方もいます。でも、本日の講習会に参加した方々は、モチベーションがとても高くて、ぜひともトーナメントでキャディを務めたいという方ばかりだったので、とても感心しました。
私たちプロキャディが培ってきた知識やスキルを活かすことにより、サービスのクオリティー向上に繋がれば、所属するゴルフクラブのブランド価値向上に貢献できます。それは結果として、ゴルフスポーツ全体の振興に繋がるでしょう。さらに、ハウスキャディの方々のスキルアップは、トーナメントにおけるプロゴルファーのパフォーマンス向上とスムーズなプレー進行を実現します。協会としては、トーナメントが開催されるゴルフ場を中心に、こうした講習会を定期的に開催していきたいと考えています。

 

講習会同行記
- NTTデータ グローバルソリューションズ スポンサーシップ担当の独り言 -

 

今回の講習会にオブザーバーとして参加して、プロキャディの知識、スキル、状況に応じた対応力の高さを再認識しました。プロフェッショルとしての凄みといっていいかもしれません。それはハウスキャディの方々がアマチュアということではなく、会員がレジャーとして楽しむ一般営業と、プロゴルファーが競うトーナメントという質の違いによるものです。トーナメントに必要な技術を学び、身に付けることは確実にハウスキャディの方々のレベルアップを促すでしょう。森本代表の一言一句を聞き逃すまいとする参加者の熱意は、我々にも伝わってくるほどでした。
森本代表とコースを回りながら、トーナメントという真剣勝負の場でプロゴルファーを支えるプロキャディと、ビジネスの最前線でお客様に伴走する私たちに相通じるところが多いことを実感しました、ただ、私たちもプロフェッショナルとしてお客様に森本代表のようなインパクトを与えられているだろうかと考えさせられたのも事実です。「正解は一つではない。状況によって変わる」という森本代表の言葉通りに、日々進化するITの最前線で最適なソリューションを提供していくために、私たち自身にもプロとしての知見と柔軟な思考が求められていることを再認識しました。

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