一元管理とは?一元管理によるメリットとデメリットそして実現するための方法をご紹介
一元管理とは、それぞれバラバラに管理されていた情報やデータなどを一箇所にまとめ、管理方法の統一を指します。
本記事では、一元管理するべき経営資源をはじめ、一元管理によるメリットとデメリットを分かりやすくご紹介します。
ぜひ、ご一読ください。
INDEX
一元管理とは
一元管理とは、担当部門・部署または担当者がそれぞれバラバラに管理されていた情報やデータなどを一箇所にまとめ、管理方法の統一を指します。
なお一元管理に似た用語として、以下の言葉があります。
それぞれ言葉違いを見ていきましょう。
「一括管理」、「集中管理」とは
個々の部門・部署、担当者が管理していたものを1か所に集約して管理することを指す言葉です。
「同期」とは
「一括管理」、「集中管理」に関連する用語として、「同期」があります。
同期は、スマートフォンとパソコンなど、異なる端末同士でデータを共有し、ファイルやフォルダを同じ状態に保つ機能を指します。
一元管理するべき経営資源とは
一元管理するべき経営資源として、ヒト(人材)、モノ(商品、サービス、設備等)、カネ(お金)、情報(データ、ノウハウ等)が挙げられます。
経営資源を一元管理することで、企業は重要な経営判断や戦略を迅速に選択できる可能性が高まります。
経営資源の要素である「ヒト」とは
経営資源の要素の一つとされる「ヒト」は、人材を指します。
ヒトは商品やサービスといったモノをつくり、利益となるカネを生み出します。ヒトに関する情報を、適切に活用していくことで企業や事業が成長する役割を果たします。
少子化やグローバル化に伴い、人的資本が不足している日本企業にとって、ヒトを確保し、適材適所に配置することは大きな課題です。
経営資源の要素である「モノ」とは
経営資源における「モノ」は、「顧客に提供する商品やサービス」と「経営に必要な設備などの資産」に分けられます。いずれも一元管理することは重要です。
たとえば営業活動においては、リアルタイムで正確な在庫状況を把握が必要不可欠です。最新の情報を持って、その場でお客様へ提案が可能です。
このリアルタイムの実現は、モノの仕入れから商品の在庫に関するデータが、一元管理できているからこそ実現できます。
複数部門・部署にわたって適切な場所(一元管理)とタイミングで、情報が常にアップデートされます。
経営資源の要素である「カネ」とは
「カネ」の一元管理は、業務の効率化と業務軽減によるコスト削減、作業時間の短縮の効果が見込めます。
たとえば、会計システムと販売管理システムを自動連携し一元管理すると、仕訳データ入力の手間を削減、入力ミスなどを防止できます。
もし帳票発行の仕組みも含めて一元管理すれば、販売管理システムのデータを取り込むことで、請求書などの帳票を作成することも可能です。
経営資源の要素である「情報」とは
顧客データや業務ノウハウといった「情報」の一元化は、経営の要と言えます。
たとえば、顧客に関する情報を一元管理することで、営業担当者だけではなく、企業全体として顧客を管理できます。企業全体での管理により、顧客からの問い合わせへの対応もスムーズになり、顧客に対する安心感や信頼感といった顧客満足度にも繋がります。
また、販売部門と生産部門のデータを共有すれば、余剰や欠品を減らす効果にも期待ができます。
その他、現場の情報を経営陣が正確に把握することで的確な経営判断ができるようになるなど、多方面でも多くの利点があります。
一元管理によるメリットとデメリットとは
本セクションでは、一元管理で得られるメリットとデメリットについて、いくつかご紹介します。
一元管理で得られるメリットとは
一元管理で得られるメリットとして、以下が挙げられます
それぞれ具体的にご紹介していきます。
作業コストが軽減とは
各部門・部署が持つデータを、別々の方法で管理し運用するのは手間がかかります。
一元管理を通じて、各部門・部署における独自のやり方が統一されます。その結果、業務の標準化を実現し、ムダを省き、作業コスト軽減を実現します。
データ処理の迅速化とは
一元管理により、求めた情報にアクセスが容易になり、データ処理の迅速化を図れます。このように誰でも、情報を素早く活用できるのも一元管理のメリットです。
情報の正確性向上とは
各部門・部署の担当者が、各々情報の管理を行うと、情報伝達ミスが発生するケースが多くあります。
一元管理を活用することで、こうした人為的ミス削減を実現でき、情報の正確性を向上させる効果に期待ができます。
一元管理によるデメリットとは
一方で、一元管理にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
意識改革の必要性とは
まず一元管理を行う際に、従業員の理解・支持を得るための意識改革が必要です。
既存システムを長年に利用してきた現場担当者は、新しい管理方法に抵抗を感じる場合があります。
そのため、従業員に対する教育研修をはじめ、サポートできる体制や仕組みづくりが必須です。
システム導入に伴うコストとは
続いて、システム導入に伴う費用の問題があります。
システム導入を行う際、ライセンス費、導入トレーニング費、保守運用費などを含め初期費用がかさむことが想定されます。
そのため、導入を検討する際には、導入や運用コストを考慮し、費用対効果を検討する必要があります。
定着するまで時間がかかるとは
企業全体で、一元管理を取り組み、効果を発揮するためには時間を要します。それは、新たなシステムや業務プロセスに慣れが必要だと考えられています。
またよくあるケースとして、従来のシステムと新しいシステムを平行あるいは二重で利用する部門・部署が発生し、データの正確な分析ができないこともあります。
このように逆に業務効率を悪化させてしまう可能性もあり、注意が必要です。
ITシステムによる一元管理とDX推進
ここでは企業におけるITシステムの現状と抱える課題。そしてDX推進についてご紹介します。
企業におけるITシステムの現状と抱える課題とは
現在のITシステムは単一なものではなく、複数のシステムを組み合わせて利用するなど、多様化が進んでいます。
この多様化により、それぞれのITシステムを別々に管理することで、効率性の低下といった課題があります。別々のシステムを組み合わせて利用している場合、それぞれの環境下で管理・運用が求められます。非効率なシステム管理・運用では、生産性の低下だけではなくコストの増大にも繋がります。
別々に管理するシステムを統合して管理・活用することで、効率的なシステム運用が実現し、これらの課題を解決できます。また、ITシステムの一元管理は、企業が持つあらゆるIT資産の一元管理にもつながり、コンプライアンスや内部統制の強化も期待できます。
DX推進とは
近年、多くの企業が推進しているDXとは、ITの浸透によって業務や企業文化などを変革し、競争上の優位性を確立するものです。
DX推進によって業務効率化や生産性の向上などを進めるにあたり、現状を把握し、改善点を見つけ出して対応するために、一元管理によるシステム全体の見える化が必要不可欠です。したがって、ITシステムの一元管理は、DX推進のための第一歩と言えます。
参考記事
- デジタルトランスフォーメーションとは?DXの定義や課題を解説 デジタルトランスフォーメーションとは、簡単にいうと「進化し続けるテクノロジーで人々の生活をより豊かにするための変革」のことです。既存の価値観や枠組みにとらわれることなく、デジタル技術を用いてビジネス環境を根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものとして期待され、多くの企業で、最適な形でのDX推進の動きが進んでいます。
まとめ
2020年に起きた新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活様式はもちろん、企業やビジネスも多大な影響を受けました。
コロナ禍によって、テレワーク制度導入などの対応をとる企業が増加したことにより、今まで無かった課題も発生しています。たとえば、従来ではオフィス内で対面のコミュニケーション機会があったものの、テレワーク導入後は実現が難しく、従来以上に手間が発生しているケースもあります。
情報管理の最適化とスムーズな情報共有が今後の課題といえるでしょう。情報の一元管理を実現することは、スムーズな情報共有につながり、ニューノーマル時代に合った働き方として重要なポイントとなると考えます。
関連サービス
- コンサルティング/PoC SAPソリューションやそれを含むエコシステムをどう使っていくのか、そしてその使い方を提供するのがコンサルティングです。システムのライフサイクル全般に渡りサービスを提供し、PoCを行うことで、機能の妥当性や実現可能性の評価も行います。
関連資料
-
基幹システムソリューションガイド(大全)
NTTデータ グローバルソリューションズが提供するお客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためのソリューションガイドです。ぜひ、ご一読ください。 ダウンロード