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エコシステム戦略とは?
エコシステム戦略で実現できるメリットなどを解説

エコシステム戦略とは、企業が自社内にとどまらず、外部のパートナー企業や顧客、供給者などと連携し、相互に価値を創出・提供する戦略を指します。

グローバル規模での競争激化が進む現代において、企業が単独で市場競争に勝ち続けることは容易ではありません。そのため、エコシステムを構築して、他社と協力しながら業務連携やサービス開発を行う必要性が高まっています。

本記事では、エコシステム戦略の概要や構築ステップ、構築する際のポイント、ERPの活用メリットなどを解説します。

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INDEX

エコシステム戦略とは

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エコシステム(eco system)とは本来、同じ環境で生きる生物や植物などが相互に依存・共生しながら生態系を形成する仕組みです。ビジネスにおいては、業界や企業、商品・サービスが相互に連携しながら収益構造を形成することを意味します。

そして、エコシステム戦略とは、企業が自社だけではなく外部のパートナー企業や顧客、供給者などと連携し、相互に価値を創出・提供する戦略です。参加するすべての関係者がともに成長できる環境の構築を目指しています。

エコシステム戦略を実現するうえでは、すべての関係者で共通するシステム基盤を構築するための取り組みが必要です。そのためには、ERPを企業の中核に据え、活用していくことが鍵となるでしょう。

ERPとは

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略であり、日本語に訳すと「企業資源計画」です。ヒト・モノ・カネ・情報などの経営上のリソースを有効活用していくための計画や考え方を指します。

ERPは本来、考え方や計画を指す用語ですが、経営上のリソースを効率的に集約・管理していくためにはシステムの活用が不可欠であるため、統合基幹業務システムを指すことが一般的です。

ERPの活用によって、企業活動において欠かせない販売管理や生産管理、会計管理、人事管理といった基幹業務を総合的に管理でき、企業の全体最適化を実現できるでしょう。

参考記事

企業においてエコシステム戦略を検討する必要性

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近年では、グローバル規模での競争激化により、企業が単独で市場競争に勝ち続けることが困難な状況です。既存製品の改良や従来の延長線上での新製品開発では、一社だけで競争優位性を維持することが厳しい環境であるといえます。

そのため、企業は自社内にとどまらず、外部のパートナー企業や顧客、供給者などと協力し合いながら業務連携やサービス開発を行う必要性が高まっています。

企業の枠組みを超えて経営資源やアイデア、技術などを出し合い、新たなイノベーションを創出して競争力向上や収益増加などを実現するための仕組みとして、エコシステム戦略が着目されています。

エコシステムを導入することで得られる効果

エコシステムを導入することで、以下のような効果が期待できます。

  • 外部データの蓄積
  • エコシステムを中心としたビジネスネットワークの形成
  • オープンイノベーションの促進
  • 外部データの蓄積

    現代のデジタル社会において、データは貴重な知的財産であり、DX推進の観点でもデータ活用は不可欠です。

    エコシステムを通じてさまざまな企業のデータや市場データを蓄積し、蓄積したデータを活用することで、自社データだけでは見つけられなかった顧客ニーズなどの知見を得られるでしょう。

    エコシステムを中心としたビジネスネットワークの形成

    自社だけでは予算や人的リソース、ノウハウが不足している場合でも、エコシステムを導入して複数のパートナー企業と協力することで、幅広いビジネスを展開できます。

    エコシステムを中心としたビジネスネットワークの形成によって、安定的な収益の確保やロイヤリティ顧客の獲得などにつながるでしょう。また、新たなパートナー企業や消費者を呼び込むことで、エコシステムの規模拡大も見込めます。

    オープンイノベーションの促進

    エコシステムの導入には、オープンイノベーションを促進できる効果もあります。オープンイノベーションとは、企業の枠を越えて技術やアイデア、ノウハウを連携し、革新的なビジネスモデルやサービス開発などを行う手法です。

    自社のリソースだけでイノベーション創出を目指すクローズドイノベーションとは対照的に、他社の技術やアイデア、ノウハウも有効活用できるため、より短期間・低コストでの新商品・サービスの開発が可能となります。

    加えて、エコシステムに消費者の意見を組み込むことで、顧客ニーズに即した機能開発なども迅速化できます。

    参考記事

    ERPを中核とすることで実現するエコシステムのメリット

    ここでは、ERPを企業の中核として据え、実現するエコシステムのメリットを3つ解説します。

  • エコシステム戦略の基盤を構築できる
  • 情報の一元化により、自社だけではなくパートナー企業とのデータ共有を行える
  • 業務プロセスの最適化を図れる
  • エコシステム戦略の基盤を構築できる

    エコシステム戦略を実施する際は、複数のパートナー企業や顧客、供給者などで共通の基盤を構築し、情報連携を行えるようにする取り組みが欠かせません。

    拡張性が高いERPのAPIなどを活用することで、周辺系システムである外部システムとの連携を容易に行えるようになり、エコシステム戦略を実現するための柔軟な基盤が構築できます。

    情報の一元化により、自社だけではなくパートナー企業とのデータ共有を行える

    エコシステム戦略においては、エコシステム内の情報を一元化し、複数の企業間でデータ共有を行っていくことが重要です。ERPをはじめ周辺系システム等を活用することで、複数の企業のデータを一元的に集約・管理でき、必要なときに・必要なデータを共有でます。

    その結果、エコシステム内の複数のパートナー企業や関連企業とのデータ共有が容易となり、エコシステムのメリットを最大限に活かせるでしょう。

    業務プロセスの最適化を図れる

    業務プロセスの最適化を図れる点もERPを活用するメリットです。エコシステムを効率的に形成するためには、複数のパートナー企業や関連企業の間で最適な業務プロセスを確立しなければなりません。

    エコシステム戦略の土台となる業務プロセスを最適化・効率化するうえでは、ERPの標準機能をベースに、業務プロセスを統一していくことが有効な手段となります。

    エコシステムを構築するためのステップ

    ここからは、エコシステムを構築するための具体的な流れを解説していきます。

  • エコシステムを構築する目的や目標の設定
  • エコシステムにおける自社のポジションやメリットを確認する
  • エコシステムの構築に必要な関係者との協議・調整を行う
  • エコシステム構築に必要なリソースの確保およびシステム(ERP)の選定
  • エコシステムを構築する目的や目標の設定

    まず、どのようなエコシステムを構築したいのかを明確にすることが重要です。

    たとえば、革新的な商品・サービスの開発や企業の認知度向上など、エコシステムの構築にはさまざまな目的が考えられます。

    エコシステムを構築する目的や目標を設定することで、具体的なアクションにつなげられます。

    エコシステムにおける自社のポジションやメリットを確認する

    構想しているエコシステムにおける、自社のポジション(立ち位置)を確認します。具体的には、以下のポイントを明確にしていくとよいでしょう。

  • 自社の主力となっている商品・サービスはエコシステムの中心的な役割を担えるか
  • パートナー企業が自社に求める技術やノウハウなどはどのようなものか
  • エコシステムを構築したあとに自社が担う役割はどのようなものか
  • また、エコシステム構築によって自社が得られるメリットを確認し、費用対効果を検討しておくことも大切です。

    エコシステムの構築に必要な関係者との協議・調整を行う

    自社の目的やポジションを明確にし、エコシステムの構築に必要な関係者との協議・調整を行います。

    パートナー企業や供給者、顧客などの関係者を特定し、目指すエコシステムの実現に向けてパートナーシップを築いていくことが求められます。

    エコシステム構築に必要なリソースの確保およびシステム(ERP)の選定

    エコシステムを構築するにあたり、必要となる自社の予算や人員、データなどのリソースを確保します。

    また、エコシステムの基盤となるシステム(ERP)や周辺系システムを選定し、データ共有などの仕組みをパートナー企業間で検討・調整していきましょう。

    エコシステムを構築する際に重要となるポイント

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    エコシステムを構築する際は、以下のポイントを押さえながら推進していくことが重要です

  • パートナー企業間で共通の目標を見出す
  • 長期的な目線を意識する
  • PDCAサイクルを回す
  • パートナー企業間で共通の目標を見出す

    エコシステムの構築にあたり、複数のパートナー企業間でうまく協力関係を築くためには、エコシステム内で共通の目標を見出すことがポイントです。

    共通の目標を見出すことで、異なる組織体が集まって活動する場合でも、方向性を合わせながら協業できます。

    長期的な目線を意識する

    長期的な目線を意識することも重要です。たとえば、短期的に見ると投資コストが膨らんだとしても、長期的にはコストを上回るメリットが期待できる場合は、投資を進めることが有効といえます。

    また、エコシステムの規模拡大には、ある程度の時間がかかることも認識しておかなければなりません。エコシステムの規模が小さいうちは新たな関係者が集まりにくいものの、規模が大きくなるにつれて認知度が上がり、新たな関係者が次第に集まってくるでしょう。

    PDCAサイクルを回す

    エコシステムは、PDCAサイクルを回しながら形成していきましょう。エコシステムの構築には多くのコストや関係者間の調整などが必要となるため、いきなり本格的なエコシステムを構築することは困難です。

    まずは、プロトタイプなどを作って小規模に始め、エコシステムの有効性を検証しながら、改善を繰り返して規模拡大を目指していくことが効果的です。

    エコシステム戦略の事例

    ここでは、エコシステム戦略の事例を3つ紹介します。

  • グローバルソフトウェアメーカーの事例
  • 大手多国籍テクノロジー企業の事例
  • グローバルB2Bソフトウェアメーカーの事例
  • グローバルソフトウェアメーカーの事例

    あるグローバルソフトウェアメーカーは、クラウドプラットフォームを通じてさまざまなサービスを展開しています。

    クラウドプラットフォーム上で各パートナー企業と協力しながらアプリケーションを開発、各パートナー企業のノウハウをビッグデータとして活用することで、サービス品質を継続的に高めています。

    クラウドプラットフォーム上でパートナー企業同士が相互に連携・協力しながら、新たなイノベーションを生み出すエコシステム戦略の好事例といえるでしょう。

    大手多国籍テクノロジー企業の事例

    ある大手多国籍テクノロジー企業は、電子機器の開発・販売やアプリケーションプラットフォームの運営などを行っています。

    同社は、ハードウェアやプラットフォームの提供に注力しつつ、アプリケーションなどのコンテンツの開発・販売は外部のパートナー企業に任せることで、大規模なエコシステムを形成しています。

    自社のリソースだけに頼らず、外部のパートナー企業のリソースや強みも活かしながらエコシステムを形成した好事例です。

    グローバル BtoB ソフトウェアメーカーの事例

    あるグローバル BtoB ソフトウェアメーカーは、それぞれの業界においてイノベーションエコシステムの構築を目指し、複数のSIパートナー企業と協力関係を築いています。

    イノベーションエコシステムの構築に向けて、ソフトウェアの販売を担うパートナー企業への支援の強化やソフトウェアの継続的な改善を行っている事例です。

    また、他社と共同でクラウド型ERPを開発し、パートナー企業間で業務現場のデータや財務会計などの経営管理情報をリアルタイムに共有できる仕組みの構築も行っています。

    まとめ

    ビジネスにおけるエコシステムとは、業界や企業、商品・サービスが相互に連携しながら収益構造を形成することを意味します。そして、エコシステム戦略とは、企業が自社だけではなく、外部のパートナー企業や顧客、供給者などと連携し、相互に価値を創出・提供する戦略です。

    エコシステム戦略を実現するうえでは、すべての関係者で共通するシステム基盤を構築する必要があります。

    ERPを企業の中核に据えて活用していくことで、エコシステム戦略の基盤構築に加え、情報の一元化によって自社だけではなくパートナー企業とのデータ共有も可能となるでしょう。また、関係者間で業務プロセスの最適化を図れることも、ERPを活用するメリットです。

    エコシステムを構築する際は、関係者間で共通の目標を見出すことや、長期的な目線を意識すること、PDCAサイクルを回すことがポイントとなります。

    関連資料

    • 基幹システムソリューションガイド(大全)

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