プロジェクト管理とは?
プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトの進捗状況や予算、成果物の品質を適切に管理することが不可欠です。
今回のコラムでは、プロジェクト管理と代表的なプロジェクト管理手法について。そしてプロジェクトを成功させるポイントを解説します。
プロジェクトとプロジェクト管理とは
プロジェクトとは、期間や目標などのゴールが定められた業務のまとまりです。
例えば、一年後までにERPシステムの新規導入を完了するという目標を達成するための業務のまとまりは、ERPシステム新規導入プロジェクトです。
ERPシステムの要件定義やフィット&ギャップ分析など、ERPシステム新規導入プロジェクトを達成するために必要な業務をタスクと呼びます。タスクを一つひとつ完了させ、プロジェクトを達成できます。
プロジェクト管理とは、プロジェクトを達成するために必要な人員や予算を適切に確保・管理し、タスクの進捗状況を管理することを意味します。
プロジェクト管理の目的と必要性
プロジェクト管理の目的は、定められた期限と予算内でプロジェクトを完了し成功させることです。
そのプロジェクト完了と成功を支えるのが、日々の適切な管理です。具体的には、品質や仕様(Quality)、コスト(Cost)、そして納期(Delivery)の3つを管理することが、プロジェクト管理の基本です。したがって、プロジェクト管理者には、その3つは常に求められています。この3つは、それぞれの英語の頭文字から「QCD」と略されます。
適切なプロジェクト管理なしでは、QCDを守ることが難しいです。プロジェクトが適切に管理されなければ、当初の目標や計画とはかけ離れた内容になる可能性があります。それは、スケジュールや費用についても同様です。計画通りに完了せず、また費用が肥大化してしまうリスクが高まります。プロジェクトを成功させるためには、プロジェクト管理は必須といえます。
代表的なプロジェクト管理の手法
プロジェクト管理には様々な手法があります。今回は、その代表的な手法として、PMBOK、WBS、そしてガントチャートについて紹介します。それぞれの概要は以下です。
PMBOK
PMBOK(Project Management Body of Knowledge:ピンボック)は、1987年にPMI(Project Management Institute)から発表された管理手法で、プロジェクト管理に必要な知識や手法を体系的にまとめたものです。
PMBOKは、プロジェクト管理に必要な「品質」、「原価」、「スケジュール」、「リスク」など10の管理項目を知識エリアとして縦軸に配置します。横軸には、プロジェクトの段階を、「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・管理」「終結」の5つに分割。それぞれの段階において、10の知識エリアについて何を作成、管理するべきかを定義します。
アジャイル型プロジェクト管理手法の登場など、プロジェクト管理のトレンドや市場環境の変化、技術の向上を反映するため、定期的に改訂されています。現在は、PMBOKガイド第6版(2017年)が最新版です。PMIは、2021年8月に第7版をリリースすることを発表しています。
ガントチャート
ガントチャートは、縦軸にプロジェクトに必要なタスク、横軸に時間軸や担当者、成果物などを並べた表です。
全体の計画や進捗状況を可視化でき、プロジェクトの全体像をつかみやすいというメリットがあります。また、ガントチャートを使うとタスクごとの進捗状況をメンバー間で簡単に共有することが可能です。こうした特徴から、ガントチャートは、期間が長く、メンバーやタスクが多いプロジェクトに有効なツールといえます。
WBS
WBS(Work Breakdown Structure)は、Work(タスク) Breakdown(分解) Structure(構成)の略称です。プロジェクトに必要なタスクを全てリストアップし、それぞれのタスクの関連性や実施スケジュール、工数、担当者などをと合わせて一覧表にして管理する手法です。
WBSを利用すると、タスク同士の関係性を理解し易いです。また、プロジェクトに参加するメンバー間で、タスクの内容や範囲について共通認識を持てます。業務経験の少ないメンバーや社外メンバーが多いプロジェクトにおいては、タスクの範囲や関連性を明確にすることが必須であり、WBSが役立ちます。
なおWBSはほかのプロジェクト管理手法のベースとしても使われることがあります。WBSでタスクの洗い出しと構造化を行うことで、プロジェクト管理の精度を高めることができることが理由です。例えば、WBSを元にして、より精度の高いガントチャートを作成することができるでしょう。
プロジェクトを成功させるためのポイント
プロジェクトを成功させるポイントはいくつかあります。まずは、期限内に遂行するためのスケジュール管理を徹底することです。それぞれのタスクについて、スタートと終了日時だけでなく、途中で確認するポイントを設けることで、より細かい管理ができるようになるでしょう。次に、コスト管理も重要なポイントです。プロジェクトの初期段階では、想定外の出来事が発生し、見積通りの管理ができないこともあります。その度に再度見直し、定められた予算内でプロジェクトを達成できるよう、コスト管理の精度を高めていく必要があります。そして、プロジェクトマネージャーとメンバーの間で常に情報共有を行い、目的や進捗状況について共通認識を持つことです。
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上記のようなポイントに十分に気をつけて、そしてツールを用いてプロジェクトを管理することで、プロジェクトを成功に導くことができるでしょう。
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