NTTデータグローバルソリューションズ

経営と基幹システムのモダナイゼーションとは
~デジタル化とグローバル最適化を目指して~

当社はNTTデータグループのSAP事業のコアカンパニーとして、2012年に設立されました。強みは、グローバルで1万名以上のNTTデータグループのSAPコンサルタントと連携して、日系企業向けのグローバル導入・サポートを行うことができる体制を確立しているところです。おかげ様で設立以来7年の間に100件を超える日系企業の海外拠点向け展開の実績を積み重ねています。
日本企業の多くは、20~30年前に構築した基幹系システムが大きく見直されずに老朽化し、維持管理コストが定常的にかかっている上、さらに何か大きな仕様変更があると多額の費用と時間がかかってしまうという悪循環に陥っています。加えて、例えばグローバル全体の経営管理情報が2週間経たないと見えて来ない、しかもサマリーされた結果数値しか見えない、など企業の成長スピード・変革スピードにブレーキをかける大きなアキレス腱となってきています。
モダナイゼーションとは、このように老朽化、肥大化、複雑化、ブラックボックス化した基幹システムを「近代化」することで、変化の激しいビジネスをサポートするだけでなく、デジタルによるビジネスそのものの基盤として再構築することです。多くの企業においてモダナイゼーションの必要性に迫られています。
経済産業省の「DXレポート」もこの状況に警鐘をならし、企業の経営層の中にも危機感が広がってきていますが、基幹系システム刷新は絶対に失敗できないプロジェクト・・・何からどう手をつけ、どこに向かって進めるべきか悩まれているCIO、CxOは多いのではないでしょうか。
とはいえ、この課題にチャレンジしている日系企業が相当数存在しているのも事実です。今回、当社がお客様の導入・コンサルティングから維持管理・運用までトータルにサポートする中で得た知見を一冊の本として集大成しました。特に「グローバル最適化」の進め方を中心に具体的な10事例から「成功の方程式」を導き出し、『グローバル経営のモダナイゼーション(日経BP刊)』としてまとめ、本年7月に出版しました。

グローバル経営のモダナイゼーション

今回、本の執筆者うち4人に集まっていただき、”モダナイゼーション”をテーマにインタビューをしました。

質問1 「日系企業のグローバリゼーション、経営のモダナイゼーションについて、どうお考えですか」

NTTデータ グローバルソリューションズ 代表取締役社長 磯谷 元伸
NTTデータ グローバルソリューションズ 代表取締役社長
磯谷 元伸

「NTTデータグループ自身も、この十数年の間に急速にグローバル化を進めてきました。私自身、ここ数年は、製造業のお客様との合弁会社社長等も経験してきました。その中で気づいた、私自身の問題意識については、本にも記載しましたが、なぜ日本企業×日本拠点のSAP導入は難易度が難しく、海外企業では比較的スムーズに導入できるのかというところでした。ここを出発点として、当社のこれまでの実績と知見を集大成して、基幹系システムの刷新、特にグローバル最適化の進め方について本にまとめようと考えました。
基幹系システムは経営そのものです。刷新のきっかけは老朽化かもしれませんが、これからの基幹システムにはグローバル拠点、日本拠点ふくめて、最適化していくことが求められると考えています。当社メンバがお客様とともに一緒に考え、取り組んでいる事例を紹介することで、日系企業のモダナイゼーションの一助になればと考えています。」

NTTデータ グローバルソリューションズ 第一製造事業部 統括部長 井上 章弘
第一製造事業部 統括部長
井上 章弘

「私は、大規模でグローバルなプロジェクトやM&Aにかかわるプロジェクトをやってきました。日系企業のグローバリゼーションを前提としたモダナイゼーションということを考えたときに、ものすごく思うのは、日本ってすごく特殊なんだということです。言語や文化もものすごくユニークですし、そのため参入障壁が高い。日本の市場は、そういう言語や文化に守られた、特殊なビックマーケットだったのです。しかし、いまは日系製造業に特有の危機感があります。世界に市場を求めてやっていこうとしていますが、進出先で日本流を一方的に押し付けても、なかなかうまく立ち行かないというところで苦労されています。結果、うまくガバナンスがきかず、過分に現地任せになるか、経営が見えなくなってくる、そういった課題があるんだと思います。
その中で私たちはSAPという基幹システムの導入にかかわるコンサルタントとして、お客様の真のグローバル化をサポートしないといけない。もう少し言うと、お客様のエージェント、代理人として、自ら海外に飛び出して、必要あれば、火中の栗を拾うことも、たぶんしないといけないと思うんです。」

NTTデータ グローバルソリューションズ アウトソーシング事業部 AMS統括部長 古田 泰資
アウトソーシング事業部 AMS統括部長
古田 泰資

「私たちの組織が担っているのは導入後の運用です。これは単にシステムの維持だけではなく、今後のアップグレードであったり、ロールアウトであったりといったプロジェクトは全部私たちの部門でやるんですね。つまりシステムライフサイクルをきちんとケアするのが私たちです。海外展開とかしたいんだけどなかなかできていないな、というお客様、結構多いんですよ。私たちのお客様って、中堅クラスの会社さんが多いので、IT部門がすごくグローバルガバナンスを効かせて、っていう体制をなかなかとれないから、どうしてもローカルにまかせてとりあえず入れてしまう。たとえばサプライヤでは工場はどうしても特定の拠点に作んなきゃいけない、どうしても納入先のメーカが向こうに行っちゃうから。で、とりあえず設備は作るんだけど、ITはどうしよう、という感じでとりあえずローカルに任せてシステムを入れさせてしまう。その結果、現地の情報が可視化できずに、経営・マネジメント層からIT部門が仰せつかって、困っている、みたいな形です。
モダナイゼーションを考えるときに、じゃSAPソリューションだけでモダナイゼーションが完成するのか、といったら、それは少し違いますよ。たとえばSAPが苦手な部分は違うパッケージで補完したりして本来の目的を達成するのが本来のモダナイゼーションで、さらに経営に役立てようとするならば、それを統合してワンストップで運用を支援しましょうというのが、お客様の真のグローバル化をサポートすることになると思います。また最近はBrexitなどグローバル環境の変化もめまぐるしく、”切羽つまったモダナイゼーション”といえる事例も出てきています。私たちもお客様の環境変化に日々アンテナを高くしているところです。」

質問2「実際に取り組んだ事例での苦労談、成功のポイントを教えてください」

(古田)

「運用保守をしているお客様の海外展開のプロジェクトの例です。最初お客様の要望は”日本のものをコピーして持って行って欲しい”だったんですよ。結構初期のころに日本の本社にSAPを導入したが、まだグローバリゼーション自体を意識されていなかった。特徴として、ユーザの使い勝手を最優先して、もの凄い作り込みをおこなってしまって、しかも、15年以上経っているから、仕様書もない、ブラックボックスになってしまっている。だから、そんなものを海外に持っていくのは非常にリスキーで、ほぼ不可能に近い。日本のものをコピーしても向こうでは使えないし、というのを苦労して具体的に説得して、新しく作り込みのないスタンダードを海外から作り始めましょうという方針に変えていただきました。
グローバル案件は、いつも山あり谷ありです。こういう導入プロジェクトでは、実際の通常業務をしている人たちを、このプロジェクト期間中だけ専任化してもらうのは普通はなかなか難しいんですよ。海外のクイックにやる案件だと、業務担当者は兼務でやっていて、最初はできないですといって断ってくるんですけど、このお客様では総経理の号令のもと、プロジェクトルームに専任者が、お客様が最大15人くらい入っていたわけですよ。この体制づくりをできたことで、ものすごく推進力が高まった。結果1年以内のスケジュールどおりにゴーライブできました。
私たちは、常に、Trusted Adviserですから、何か案件ある時だけの”提案します”、”コンサルします”ではないのです。毎月のようにお話しながら、こういう動きなんですねという中でやらせていただけています。」

(井上)

「お客様が、海外でビジネス展開していく難しさにも通じると思いますが、プロジェクトで日本流のプロジェクト管理の手法を押しつけても、うまくいかないんだと思うんです。実際ものすごく苦労してやってきました。もちろん、現地に全部お任せといってもうまくいかないので、そのバランスが重要だと思うんです。まず国民性の違いというのが100%パーセントありますね。仕事の進め方・取り組み方、優先順位のつけ方一つとっても違うというのがあるのと、それから、もう一つは、物理的に場所が離れたところでプロジェクトをやっていくので、時差や地理的な距離・・・言葉よりもこっちの方が、結構大きい。いろいろな拠点での状況をプロジェクトマネージャが一人で把握するのは無理なんですよ。プロジェクトによって違いがあるんだけれど、教科書に書いてある画一的な方法なんて、絶対適用できないんです。どんなセミナー受けて勉強しても、そのまま適用できるものなどないですね。で、どうしたかというと、私の場合は各拠点でプロジェクトマネージャを配置しました。で、私はその上でプログラムマネージャという立場でやることにしたんですけれど、国民性の違いも加味して、現地のプロジェクトマネージャが納得して腹落ちして、私も一緒に入って作ったプロジェクトの計画書をもとに支援していかないと、やはり上手くいかないのだと思います。だから、それぞれの拠点毎にプロジェクト計画書があるんですよ。そしてどれも結構フレーバーが違うんです。でも、それで裁量権あたえて、それをモニタリングしていくというやり方をしました。たぶん、現実的にはこういうやり方しかないんだと思うんです。
SAPはERPパッケージですが、パッケージの設定や開発そのものはできたとしても、うまく導入できない・効果を創出できないプロジェクトもあるのは、経営そのもの、というか、基幹業務なので、結局それは会社そのものじゃないですか。そこで、組織や部門の壁を乗り越えて、常にゴールを忘れず、会社にとって一番いいやり方にしていくというところに特有の難しさがあると思っています。」

質問3 「この本のまとめ役である、青柳室長に、この本に込めた想いについて、一言お願いします。」

NTTデータ グローバルソリューションズ ビジネスイノベーション推進部 ビジネストランスフォーメーション室長 青柳 行浩
ビジネスイノベーション推進部 ビジネストランスフォーメーション室長
青柳 行浩

「この本の出発点は、日系企業が変わってちゃんとERPをいれられるような会社になるべきだという問題意識でした。そこに”2025年の崖”という経済産業省のレポートの認知が高まり、モダナイゼーションが改めて注目されました。今がよい機会だということで、本に纏めようということになったんです。
当初はもっと違う、モダナイゼーションの教科書とか、基幹系システム入れる為の教科書みたいな話で、これを全部書くと500ぺージくらいになっちゃうということで、今回のアジェンダをつくりました。
CIOとか情報システム部長が、グローバルでなんか統一しないといけないよね、と漠然と思っているんだけど、それを具体的にどうしたらいいの、僕らどういう風に考えて、どう整理したらいいの、というために使ってほしいと思って書いているんですよね。なので、事例のところは、何でやらなきゃいけなかったかと、その結果どうなったかをできる限り書くようにしています。読んでいただくと解りますが、あんまり寸止めしないで細かいやり方まで全部書いたつもりです。まだまだ書けていないこともあるので、今後折にふれ、継続的に発信していきたいと思っています。」

「グローバル経営のモダナイゼーション」(日経BP社)
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/19/272850/

ページトップへ戻る

  • facebook
  • youtube