業務標準化とは?業務標準化の目的とその実現方法をご紹介
業務効率や品質の向上を図るため、そして不正を防ぎガバナンスを向上させる手段として、業務標準化が注目されています。
そこで、今回のコラムでは、業務標準化とその目的、それを阻む要因。そしてERPを通じて業務標準化を実現する手法について解説します。
業務標準化とその目的
業務標準化とは、作業方法を統一し、誰にでも理解できるようするための考え方です。例えば、定期的な発注作業や、毎月の予実管理などのやり方を標準化し、その詳細をマニュアルにまとめておくことで、誰であっても円滑に業務を行うことが可能です。また、マニュアルを作成する際、業務のプロセスを可視化することで、無駄な作業をなくし、業務改善につなげる効果も期待できます。
業務標準化の目的は、業務効率や業務品質の向上を図ることです。人にはそれぞれ向き不向きがあるため、その業務が得意な人が行った場合と苦手な人が行った場合を比較した際、成果物の品質にバラつきが生じます。したがって、業務標準化を図ることで、誰が業務を行ったとしても、一定の品質で業務を進めるために必要です。
行うメリット
業務標準化され、作業の手順が明確に定められていれば、抜け漏れや重複が起こりにくく、ミスの防止につながります。加えて、品質が均一化することで、見直しや修正といった、やり直しの頻度が少なくなり、時間やコスト削減ができます。
どんな業務であっても、担当者は変わります。その際、業務の標準化が図れていないと、業務が停止、または代理で作業する人間が不慣れなため、業務の品質が落ちることが考えられます。業務標準化には、特定の社員だけに蓄積されていたノウハウを可視化し、業務の属人化を防ぐというメリットがあります。
なぜ進まないのか
先ほど挙げたように、業務標準化には様々なメリットがあります。それにもかかわらず、業務標準化が進まず、属人化するケースが後を絶ちません。業務の属人化が発生する一因は、仕事に求められる知識や技能のレベルが高いことが挙げられます。また、素早い対応が求められる業務の場合、経験が十分あり、手際よく業務をこなせる人間が対応せざるをえない場合があります。特定の人に業務が集中すれば、周囲に知識やノウハウは伝わりません。忙しくてマニュアルを作る時間もなく、あるいはその業務の存在が自分の評価を高めているために標準化に非協力的である、といった可能性にも繋がります。
標準化されていなければ、作業のミスや不正も外部からは分かりにくいため、ブラックボックス状態にしておきたいという動機から業務を属人化してしまうことが考えられます。
属人化によって生じるリスク
属人化のリスクは、問題が発生しても特定の人しか対応できず、業務が滞ってしまうことです。また、属人化により知識やノウハウを有する人間が突然の休職や退職によって、技術やノウハウの喪失が起こるリスクがあります。
そして属人化した業務が、不正の温床となる可能性も高まるでしょう。また、ベテランが仕事を抱え込んでしまえば、若手が成長する機会が失われます。そして、若手が成長しない会社では、知識や技術を引き継ぐ相手が不足し、属人化が更に長期化する、という負のスパイラルに陥るリスクがあります。
業務標準化を行うためには
属人化を無くし、業務の標準化を進めるためには、SAPをはじめとするERPソリューションなどの基幹業務システムを導入し、経営のIT基盤を構築することが有効な手段です。
特に、近年は、カスタマイズによってERPを自社の業務プロセスに合わせるのではなく、ERPパッケージの機能に自社の業務をフィットさせ、それによって業務の標準化を図る「Fit to Standard」アプローチが主流です。なおSAP社のクラウドERPは、3カ月ごとに最新バージョンのリリースが行い、最新化を図っています。しかし、カスタマイズばかり繰り返したERPでは、そういった新しい機能を享受できない場合があります。
また、カスタマイズによって最適なIT基盤を構築したとしても、ビジネス環境が日々変化する現在において、その基盤がいつまでも最適とは限りません。SAP社のERPに採用されているベストプラクティスに基づいたテンプレートをそのまま利用し、自社の業務を改変することで、業務の標準化と、そしてビジネス環境の変化や技術の進歩に合わせて柔軟に対応できるIT基盤を活用できます。
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ERPを導入し、世界標準の業務プロセスとテクノロジーに自社をすみやかに適合させることが、現代のビジネスに求められる業務標準化なのです。
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