ベストプラクティスとは?ベストプラクティス概要とそれを活用するメリットをご紹介
何か新しい取組みを実施する際、すでに効果が実証された手法やプロセスを利用することで、より短時間で、かつリスクを抑えることができます。システム導入をはじめ、SAPソリューションについても、円滑な導入を支援するためのベストプラクティスが存在します。
今回は、ベストプラクティスの概要をはじめ、それを活用するメリットについて解説します。
ベストプラクティスとは
ベストプラクティス(Best Practice)とは、最善の方法や最良の事例を意味します。また、この言葉は、「業界標準」という意味で使われることもあります。
特にERPの分野においては、業種や業態に合わせた標準機能という意味合いで、ベストプラクティスという言葉が使われている背景があります。
採用するメリットとデメリット
ベストプラクティスを採用するメリットは、すでに効果が実証された、優れた手法やプロセスを取り入れることが可能です。ベストプラクティスがない状態では、自社で最善のやり方を見つけ出す必要性があり、試行錯誤を繰り返して、さまざまな手法を試していくしかありません。
ゼロから模索するよりも、はるかに短期間で、優れたやり方を導入でき、時間と費用を大きく節約できます。また、効果が実証されている手法であれば、社内の合意も得やすいというメリットもあります。
そして、製造業や小売業などの業界別での実績があり、標準とされるやり方を採用すれば、短期間でかつ確実に成果を上げることができます。
一方でデメリットもあります。それは、あくまでも理論上の話である点です。どんなに素晴らしい手法であっても、それを実行する能力がなければ、期待した成果をあげることは難しいと考えます。何千人もの社員を抱える大企業にとってのベストプラクティスが、中小規模の企業にそのまま適用できるかというと、その可能性は低いかもしれません。
また、長い時間をかけて、独自の手法やノウハウを確立した企業にとっては、今までのやり方を捨てて、ベストプラクティスに切り替えるのは大きな困難をともないます。独自の手法で成功している企業にとって、ベストプラクティスの導入が、少なくとも短期的には混乱を招くだけかもしれません。
ベストプラクティスを導入し、成果をあげるためには、その手法やプロセスが自社の状況に適応するのかという見極めと実行に移すタイミングが重要です。
SAP社のベストプラクティス
SAP社は次世代ERPであるSAP S/4HANAを短期間かつ低コスト、そして高品質で導入するための支援ツールとして「SAPベストプラクティス」を提供しています。これは、SAP社が全世界の顧客とのやり取りを通じて蓄積した知見をもとに作成されたものです。すぐに使える標準業務フローが、事前にテンプレートとして用意されていると考えると理解しやすいかと思います。
「SAPベストプラクティス」は、SAP R/3やECCでも提供されていました。SAP S/4HANAでは、リリース時から利用可能で、標準業務フロー数は四半期に一度のペースでアップデートされ、増えていきます。
また、日本においては、SAP社のパートナーが日本企業に特化した商習慣や顧客のニーズに合わせ、独自の機能やシナリオを追加したテンプレートを開発し、提供を行っています。
例えば、NTTデータ グローバルソリューションズでは、SAP認定テンプレート、GBMT🄬(Global Business Model for Trading Company)を提供しています。GBMTは、国内外70社以上のSAPソリューション導入プロジェクトのノウハウが凝縮され、製造業販社や専門商社、小売業の企業が、短期間かつ確実に導入が行えるようサポートします。
具体的な活用事例
日本の商習慣に対応したベストプラクティスには、さまざまなメリットがあります。例えば、GBMTは、検収照合や月締請求書などの日本独自の会計や請求処理に必要な仕組みに対応しています。SAP S/4HANAの標準機能ではカバーされてない機能を追加してテンプレート化しているため、導入後すぐに利用可能です。また、海外展開する日本企業を対象に、三国間取引や諸掛計上のシナリオも準備し、複数元帳管理にも対応しています。
そして、テンプレートのみならずノウハウをまとめた方法論やサンプルも用意しています。これにより誰が、いつまでに、何をするのかが明確になり、システムを円滑に導入することが可能です。
また、テンプレートの活用を理解するための教育支援サービスなども合わせて提供され、自社に合わない手法を取り入れ、失敗するリスクもありません。最後にGBMTは、これまで多くの企業で導入実績があり、安心して利用できます。
SAP S/4HANAを導入する際は、GBMTをはじめとするベストプラクティスを利用し、円滑にプロジェクトを遂行していきましょう。
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