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需要予測とは?需要予測が活用される分野や仕組み構築の手法について

企業は自社ビジネスを推進していく上で世の中の需要を予測し、開発する商品やサービスについて検討します。正確に予測ができなければ、売れないものを販売することとなり、企業価値の低下につながってしまうでしょう。

企業価値を高めていくためには、適切な需要予測が欠かせません。需要予測自体は昔から実施されていますが、近年は技術の発展に伴い、従来よりもはるかに精度の高い手法も登場しています。商品開発、マーケティング、サプライチェーンなどさまざまな分野で活用されており、今後も数多くの企業で導入されていくと予想されます。

今回のコラムでは、需要予測の仕組みや意義、需要予測の課題。そして最新技術を活用した需要予測の手法について解説します。

需要予測の概要をはじめ、実際に需要予測を行う方法を理解したい方。加えて、需要予測に関するソリューションはどのようなものがあり、自社でどのように推進していくべきか検討されている方に分かりやすくご紹介します。

ぜひ、ご一読ください。

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INDEX

需要予測とは?

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需要予測は、企業が適切な事業戦略を構築していく上で重要です。多くの業界、業務で活用されています

需要予測とは?

「需要予測」とは、商品やサービスがどのくらい必要とされるのかを予想することです。

あらゆるビジネスにおいて、自社の市場価値を高めていく上では、正確な需要予測を行うことが必須となります。どのような商品・サービスを開発していくべきか、季節や地域ごとにどの程度の在庫を確保しておくべきかなどを検討し、業務を進めていかなければなりません。

需要予測に失敗するとビジネスチャンスの損失につながるため、基本的にはすべての企業で正確に将来の需要を把握するための仕組みづくりが求められます。

現代とは方法が異なりますが、需要予測自体は昔から多くの企業で行われています。豊富な経験や専門的なスキルを持った従業員が需要を予測する方法です。現代でも、こうした手法を用いて経営判断を行っている企業はあります。

しかし、予測自体が不明確なことや、担当者の退職により需要予測ができなくなってしまうことが難点です。

そのため現在では、ITシステムを利用した需要予測が主流です。過去のデータをもとに需要を予測することで、高精度な需要予測を実現できるほか、業務属人化の課題も解消できます。

需要予測の意義

適切な需要予測を行うことで、企業は社会からのニーズに応えながらビジネスを推進できます。

正確な需要予測にはさまざまな効果があり、売り手も買い手もメリットを得られます。

顧客満足度の向上

まず、顧客満足度の向上につながります。顧客が必要とする商品やサービスを開発・提供し続けていくことが可能です。

商品やサービスの継続的な改善に加え、必要となるタイミングも予測できるため、自社ビジネスの付加価値を高められます。

コストの削減

また、コストの削減につながる点もメリットです。

売れる商品とそこまで売れない商品を見極めることで、商品ごとにどの程度在庫を確保していくべきかを判断できます。過去のデータを活用すれば、季節ごとに需要を把握することも可能です。

必要な分だけ生産・調達・仕入れを行うことで、経年劣化などによる在庫廃棄を減らすとともに過剰在庫を防げるため、無駄な費用を抑えられます。

マーケティング活動への活用

さらに、需要予測はマーケティングにも活用できます。

価格設定やプロモーションなどは、物価の変化や競合他社の状況に合わせて検討し、施策を講じていくことが重要です。

需要予測の際に外部要因も考慮することで、最適な判断を下せるようになるでしょう。

このように、需要予測は企業の方向性を見極めていく上で非常に重要なプロセスです。

需要予測の効果が期待できる領域は広範囲にわたります。顧客満足度向上、在庫最適化、マーケティングだけではなく、将来参入していく市場の見極め、人材獲得や設備投資の計画、業務改善などさまざまな分野で応用できます。

どんな業界、分野、目的で活用される?

需要予測は特定の領域のみで活用される仕組みではなく、基本的にすべての業界および企業で効果が期待できます。

実際に仕入れ、生産、販売、人員配置、設備投資、資金調達など企業活動の主軸となるあらゆる業務領域おいて、さまざまな目的で活用されています。

例えば、ERPシステムに蓄積された売上や在庫データをもとに、季節の要因やトレンドに合わせて販売できる量を商品ごとに予想することが可能です。正確な需要予測は、小売り、飲食、不動産、資源、サービス、物流、食品、レジャーなど幅広い業界において大きな価値があります。

参考記事

最新技術を活用した需要予測の潮流や活用領域

需要予測は昔から行われていますが、その手法は年々改善されています。近年では、IT技術の発展に伴い、より高精度な方法が導入されています。

活用される技術

需要予測にはAIやIoTなどの技術が使われており、従来よりも正確かつ迅速に分析できる仕組みが構築されています。

AIの登場による変化

特に、AIの登場によって需要予測の方法は劇的に変化しました。

過去の売上に関するデジタルデータを利用して、商品ごとに地域や時期別で需要を予想できます。

企業内部のデータだけではなく、トレンドや市場動向、天気など外部の要因も加える形で、より詳細に売上見込みを立てることも可能です。

IoTの活用

また、IoTも積極的に活用されており、大きな成果を上げています。さまざまなリアルタイムデータを大量に収集できるため、詳細かつ精度の高い需要予測を実現できます。

例えば、気象観測用のIoTセンサーから天気情報を集めたり、スマホから検索履歴を収集したりすることが可能です。

さまざまなデータに意識を向け、多角的に情報を分析していくことで、高精度の需要予測を実現できるでしょう。

需要予測を実現するソリューション

需要予測を実現できるソリューションは多くの業界や企業でニーズがあり、さまざまなソフトウェアが開発されています。特に現代ではクラウドが普及していることもあり、SaaS型の製品が中心です。

社内システムに蓄積されたデータを連携して、クラウド側で需要予測を行い、その結果を受け取るといった仕組みを構築できます。実装されている機能、ソリューションも多種多様です。

例えば、ダッシュボード上で表やグラフなどを活用し、自社のビジネス状況を可視化できます。

蓄積された大量のデータを瞬時に集計できるため、リアルタイムで情報収集および分析が可能となり、迅速かつ適切な経営判断につながるでしょう。また、他の業務システムと連携して自動的に生産計画や人員調整を行う機能など、多くのビジネスで有効なソリューションが数多く実装されています。

参考記事

需要予測の課題

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需要予測は企業が競争力を高めていく上で必要不可欠な仕組みですが、ただ導入すれば良いわけではありません。

意図した結果を得るためには、ポイントを押さえて工夫する必要があります。

適切なデータを活用する

AIを活用して需要予測を行う場合、適切なデータを利用することは特に重要です。

需要予測を行う目的を明確にしながら、活用するデータを適切に選定しなければなりません。市場、時期、地域、天気など判断材料となる要因は多岐にわたります。目的や状況によって、需要予測のインプットとして使用するべきデータは異なるため、慎重に調査や検討を進めていく必要があります。

例えば、アイスクリームの販売における需要予測を行う場合、気温データを活用すれば正確なニーズの把握に役立つはずです。

気温が高い時のほうが需要は高いという結果が予想されます。しかし、顧客の性別、年齢、職業などの情報であれば相関関係はほとんどなく、不適切なデータであると言えるでしょう。

また、ときには分析結果が異常データの影響を受けないよう工夫する必要もあります。

例えば、昨年度は異常気象が原因で暑い期間が長かった場合、昨年度のデータを含めて今年度のニーズを分析すると、アイスクリーム販売の正確な需要予測ができなくなる可能性があります。

効果的に分析するためには、需要予測の目的を明確にした上で参考にするデータを取捨選択することが重要です。

対象とすべき商品・サービスを見極める

商品やサービスによっては需要予測の対象とすべきではないものもあり、対象を見極めていく必要があります。

例えば、必要な情報を十分に収集できないケースです。ある商品に対して需要予測を行う場合、基本的には販売などに関する過去データが必要です。

新製品など過去のデータが無いものの需要予測を行う際には、類似商品のデータなどを活用することとなり、高精度な予測ができなくなるおそれがあります。詳細に需要予測ができないと、施策が失敗するリスクが高まるため注意が必要です。

また、需要予測を行うにはコストがかかるため、すべての商品やサービスを対象にはできないケースも少なくありません。

需要予測の実施を検討する場合は、正確な予測ができるかどうかの観点も含めて判断しましょう。

ERPを活用した需要予測

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需要予測に関するソリューションの多くは、ERPシステムと連携する形で構築されます。

ERPには会計、販売、調達、在庫、生産、倉庫、設備などのあらゆる情報が蓄積されています。普段の業務を通して得られるデータをインプットすることで、精度の高い需要予測を実現できるでしょう。

ERPシステムのデータを需要予測に活用

ERPシステムに蓄積されるデータは、需要予測のためのインプットとして大きな価値があります。また、需要予測の結果をERPに取り込むことで、業務改善を実現することも可能です。

具体的な例として、在庫の適正化が挙げられます。

商品を生産して顧客へ販売する企業の場合、必要な原材料や製造後の商品自体を大量に確保しておくとコストがかさんでしまいます。生産した商品に注文が入るまでの間保管しておくための倉庫が必要となり、管理費もかかります。コスト面から考えると、生産したあとすぐに顧客へ販売できるような仕組みづくりが必要となるでしょう。

しかし、原材料や商品の在庫を十分に確保していないと、今度はビジネスチャンスを失うリスクが出てきてしまいます。

このような課題は、需要予測とERPシステムをうまく組み合わせることで解決可能です。

ERPシステムや外部から必要なデータを収集し、正確な需要予測を行うことで、期間・商品・地域ごとにどの程度の売上が見込めるかを把握し、在庫の適正化を実現します。在庫が必要な量を下回った段階で自動的に原材料の発注を行う仕組みをERPに実装し、業務効率化につなげることも可能です。

需要予測はどのような形で導入される?

需要予測の仕組みをERPで構築する場合、外部のソリューションを利用することが一般的です。現在ではクラウドが普及しており、SaaS型のソリューションが数多くリリースされています。

また、ERPシステムも外部のソリューションをうまく組み合わせて構築していくことが主流です。

SaaS型のソリューションは、低コストかつ迅速に導入できるメリットがあります。需要予測の仕組みを構築するには、試行錯誤を繰り返すことが必要となるため、構築に手間のかからないSaaS型のソリューションが適しているでしょう。また、需要予測は多種多様なデータを活用することで精度が高まり、予測できる範囲が広がります。

SaaS型のソリューションを利用してサードパーティが保有するデータもうまく活用すれば、自社特有の細かい要件にも対応できます。

参考記事

まとめ

需要予測はあらゆる企業において有効かつ不可欠なプロセスです。

従来から従業員の経験や専門知識を活用する形で需要予測は行われてきましたが、現代ではデータを用いたより合理的な仕組みづくりが主流となっています。適切な仕組みを構築できれば、顧客満足度の向上、売上増加、コスト削減などの効果が期待できます。

ERPシステムをうまく組み合わせて高精度な需要予測を行い、企業の市場価値を高めていきましょう。

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