SAP導入とは?SAP導入のメリットと導入の流れをご紹介
SAPとはERPを中心とするビジネス向けソフトウェアを開発・販売している企業でもあり、提供しているシステムでもあります。世界で事業を展開する多くの企業でSAPのソリューション導入し、活用しています。
そこで、本記事では、SAP導入のメリットやデメリット。加えて導入の流れを分かりやすくご紹介します。ぜひ、ご一読ください。
INDEX
SAPとは
SAP(エスエーピー)とは、ドイツに本社を構える大手ベンダーです。SAPは会社名であり、一方で提供しているシステムを指すことが多くあります。
SAPは、ERPを中心とするビジネス向けソフトウェアを開発・販売しており、世界190カ国以上に拠点があります。1990年代にERPパッケージ「SAP R/3」シリーズが世界的に広く普及しました。2000年代半ばには、後継の「mySAP ERP」シリーズ。さらに後継の「SAP S/4HANA」シリーズで引き続き高い市場シェアを維持しています。
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- SAPとは SAPは、「経営・業務の効率化」や「経営の意思決定の迅速化」を実現することを目的に、多くの企業で導入されているITソリューションです。このITソリューションにより、企業の経営資源である「人・モノ・金」の情報を一元で管理ができ、そして経営の可視化を実現できます。本コラムでは、SAPについて詳しく解説をしていきます。
ERPとは
ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の頭文字をとった略語で、一般的には企業活動におけるあらゆる情報を連携・集約した統合基幹業務システムを指します。
ERPにより、従来、部門にまたがって行う必要のあった業務を一元化でき、経営資源の有効活用や業務の効率化を図ることができます。
日本におけるERPの歴史
1980年代まで、日本の企業情報システムは、生産管理や販売管理、在庫管理など、役割に合わせて個々に独立した基幹システムが中心でした。
したがって、各システムに要求されるデータの種別や情報処理の手法が異なり、個々にデータベースを管理する必要がありました。
業務負担の改善や収益の向上という観点からみると、これらの業務は統合して包括的に管理するほうが効率的です。加えて、1990年代前半に欧米で起きたBPR(Business Process Reengineering:業務プロセス改革)がきっかけとなり、多くの日本企業にも広がりました。
このような背景から、企業の資源を総合的に管理する仕組みであるERPが、多くの企業で本格的に採用されるようになりました。
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- ERPとは?基幹システムとの違いや導入形態・メリットと導入の流れを解説 ERPパッケージとは、企業の基幹業務の統合化を図るERPを実現するソフトウェアです。ERPを導入することで、業務の効率化やコスト削減といったメリットを得られます。もちろんデメリットもあります。本コラムでは、ERPパッケージについてまとめ、導入を実現するためのポイントを分かりやすく解説します。
SAPを構成する4つの代表的なモジュールとは
SAPには、モジュールという、業務領域ごとに分けてあるシステムの機能群があります。
ここでは、代表的なモジュールであるFI(Financial Accounting):財務会計、CO(Controlling):管理会計、SD(Sales and Distribution):販売管理、MM(Material Management ): 在庫購買管理をご紹介します。
FIモジュールとは
FIモジュールは、いわゆる財務会計モジュールです。SAPモジュールの中でも最も利用されています。
会計伝票の記帳、帳簿残高の管理、債権債務管理、固定資産の管理等の財務会計に関する機能を有しています。
COモジュールとは
COモジュールは、社内の原価管理を目的としたモジュールです。財務会計のFIとは異なり、「費用」と「収益」を収集し、事業や製品別の収益性を分析ができます。
SDモジュールとは
SDモジュールは、販売管理に特化したモジュールです。
受注→出荷→請求の3つのプロセスから成り立っています。製品の見積もりから販売、サービスの提供までに関わる業務のサポートを目的としています。
MMモジュールとは
MMモジュールは、在庫購買管理(品目計画・管理、購買管理、入出庫管理、在庫管理、請求書照合)のすべての業務に対応しています。
在庫・調達に関わる一切の業務を管理することができます。
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- SAP ERPのモジュールとは?代表的なモジュールの役割とその相関関係をご紹介 SAP社のERPパッケージは、モジュールと呼ばれる業務分野別にまとめられた機能群で構成されています。今回のコラムでは、SAP ERPの代表的なモジュールを例に、モジュールの役割や相互の関係について説明します。また、次世代のERP「SAP S/4HANA」で提供される機能についても分かりやすくご紹介します。
SAPを導入するメリット・デメリットとは
本セクションでは、SAPを導入するメリット・デメリットについてご紹介します。
SAPを導入するメリットとは
SAPを導入することのメリットとして以下が挙げられます。
業務プロセスの標準化とは
SAPは、世界でビジネスを展開する優良企業の業務プロセスを基に開発されており、世界スタンダードレベルの業務プロセスに自社のプロセスを合わせ、標準化を図ることも可能です。
デジタルデータの一元管理とは
SAPでは、組織内で管理しているデジタルデータを素早く共有できます。加えて、変換・加工が可能です。
これにより、部門間のデータ連携が可能になり、データ処理を高速化することが実現できます。
作業履歴の可視化とは
その他、「誰が、いつ、何をしたのか」の履歴(ログ)が残り、その情報はユーザ情報等で紐づき、不正なデータ入力を防止できます。
SAPを導入するデメリットとは
SAPを導入するデメリットとしては、以下が挙げられます。
導入費用が高額であるとは
SAP導入時には、ライセンス料・購入費用、SAPコンサルタント費用、定額の保守費用、サーバー料金(オンプレの場合)等がかかり、導入費用は高額とも言われています。
SAPエンジニアが少ないこと
自社にSAPの知識を持った人材がいない場合、SAPエンジニアに依頼する必要があります。
しかしSAPを導入した多くの企業から、SAPエンジニアは求められる上に、人材の供給が追いつかず、需要過多の状態にあります。
SAPの機能や設定が複雑であること
SAPは、モジュールによって機能が豊富に搭載されています。
さまざまな業種に対応することができる一方で、機能や設定が複雑なため、使いこなすまでに時間が必要です。
SAPを導入する流れとは
SAPの導入から運用までは、一般的に以下の6つのステップになります。
- 導入目的の明確化
- 製品・ベンダー選定
- 要件定義
- 設計・開発
- テスト
- リリース・運用
各ステップについて、具体的に見ていきましょう。
導入目的の明確化とは
まず現状の課題と将来どのようなことをしていきたいか要望を洗い出し、どの課題、どの要望を実現していくか検討して、自社内でERPの導入目的を明確化します。
製品・ベンダー選定とは
目的を明確化したら、ベンダー・製品を選定します。
ベンダー・製品を選定する際は、RFI(情報提供依頼書)及びRFP(提案依頼書)を作成し、ベンダー各社より情報を得て検討します。
要件定義とは
要件定義では、選定したベンダーと共に、現状および要件を整理していきます。
SAPはパッケージシステムであるため、ユーザ要件がSAPにフィットするのか、ギャップなのかを整理が必要です。
業務プロセスごとに「SAP標準機能を使う or アドオンを使うなど」 を明確にした業務プロセスフローを作成する必要があります。
設計・開発とは
設計・開発フェーズでは、要件定義フェーズでギャップとなった業務プロセスで、アドオンで対応するとなった機能に対して、ベンダーを中心に設計・プログラム開発を実施します。
テストとは
設計・開発が終わると、単体テスト、結合テスト、総合テスト、受入テストを実施し、SAPを利用して問題なく業務できるかテストをします。
リリース・運用とは
テストが完了後は、システム的に大きなバグが残っていないかを確認します。
番稼働に向けて最終調整を行い、リリース(本番稼働)をします。
まとめ
SAP導入による業務効率を大幅にアップさせることができる一方で、高額な導入費用がかかるなど、メリットもデメリットもあります。
業務要件が自社にフィットしやすいか否か、アドオンの多寡等も勘案し、慎重に検討が必要です。
費用対効果をしっかりと分析し、適切なシステム導入を目指しましょう。
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