経営管理が抱える課題とは?
経営管理とは
経営管理とは、企業が効率的に目標を達成するために、「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源の配分の調整や総括を行う経営手法を指します。行き当たりばったりの設備投資や人材採用をしていては、企業の経営は成り立ちません。現状や将来見込まれるコストや利益を踏まえ、経営資源を適切に振り分けることは、企業経営の基本です。
また、経営管理は、経営資源の振り分け方を通じて、企業経営者が自身の意思決定を社内に共有し、会社としての方向性を示すものでもあります。3~5ヵ年の中長期計画から、年次、月次といった細かい計画に落とし込んでいくことで、計画的に、そして効率的に「ヒト・モノ・カネ」を活用できます。
何か問題が発生した際にすぐにそれを把握し、軌道修正を図るためにも、経営管理を適切に行うことが重要です。
経営管理の課題
このように非常に重要な経営手法ですが、実際の運用にあたっては課題が少なくありません。会社の目標を決めるためには、現在の経営状況を把握する必要があります。担当者が各部門から業績データを収集、集計を行い、経営会議の資料を作成するのに多くの時間と労力を費やしている場合があります。
また、データを分析、検討する時間よりも、資料作成に時間を要し、その結果、経営会議ではできあがった資料を確認するだけで終わってしまうという場合もあります。さらに、データを収集するのに時間をかけすぎれば、そのデータが実際の計画に反映される頃には状況が変化している可能性もあります。
本来、効率的な経営のための経営資源の分配を行うための経営管理ですが、いつのまにか部署ごとの予算獲得争いに変わっている、ということもあります。またそうなると、コストや資源の割り振りに不公平感が募り、会社の方向性を示すどころか、社内がバラバラになってしまうことにもつながりかねません。
経営層が見たい時に、必要な情報が迅速に手に入らない。本社と現場のシステムの連携がとれておらず、データ収集や集計が困難である。各事業部と本社の力関係や人間関係が原因で、経営管理に必要な情報が事業部から上がってこない。経営管理を適切に、効率的に行うためには、上記のような課題を解決する必要があります。
SAP社のシステム導入により課題を解決
こうした課題を解決するのに有効なのが、計画から分析までを一元化することで業務効率化を行うソリューションです。例えば、SAP社の次世代型ERPであるSAP S/4HANAでは、すべての業務が連携・一元管理されており、リアルタイムで企業の状況を確認、分析することができます。
また、インメモリデータベースであるSAP HANAを利用することで、膨大なデータを扱う場合でも高速に処理を行うことができます。
データを記録するだけでなく、意思決定に必要な情報を、リアルタイムに、そして漏れなく「見える化」することでデータを活用することが、効果的な経営管理への第一歩です。
予算や計画の管理、データの可視化と分析、AIや機械学習機能を備えたSAP Analytics Cloudも、経営管理を強力に支援するツールです。
SaaS(Software as a Service)型ビジネスインテリジェンス(以下 BI)ツールであるSAP Analytics Cloudは、質問に対して会話形式ですぐに回答が得られるマシンインテリジェンスを搭載しており、また、スマートインサイト機能を使うことにより、任意のチャートにおける原因分析をAIで行うことができます。同じくSAP社のデータマイニングを自動化するツール、SAP Predictive Analyticsは、基幹システムに蓄積される膨大なデータから有益な知見を得るために有効です。こうしたBIツールを利用すれば、SAP社製品はもちろん、Googleドライブ、Salesforce、SQL Databaseといった様々なデータソースからデータを取得し、連携することができます。
また、海外拠点の担当者が現地の通貨で入力し、必要な通貨に換算して集計できるグローバル対応機能も搭載するなど、日本の本社と海外拠点でのリアルタイムなデータ連携や、それに基づいた意思決定を行うために有効です。
そして、単なるデータ連携と可視化に留まらず、AIや機械学習に基づいた分析機能を経営管理に活用できることも、こうしたBIツールの強みです。
経営管理を適切に行うには、リアルタイム情報に基づいて迅速な意思決定ができる仕組みが欠かせません。SAP社のERPやBIツールを活用し、業務データの一元化と高度な分析に基づく経営管理を実現しましょう。
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