ボトルネックとは?ボトルネックによって生じる問題とその解消方法をご紹介
ボトルネックという言葉は、よくビジネスの現場使われています。
そこで、今回のコラムではボトルネックによって生じる問題。加えて、ボトルネックを解消するための手法TOCとその流れ。そして、ERPを活用してボトルネックを解消し、DXを実現する手法を分かり易くご紹介します。
ボトルネックとビジネスにおける使われ方
ボトルネックという言葉は、よく業務改善や働き方改革に取組む際に、登場することがあります。
そもそも、ボトルネックとは、ワインボトルのような瓶の最も細い首の部分を指す言葉です。瓶を逆さまにしても、瓶の首が細ければ、中身は一気に出てきません。
ビジネスシーンでの使われ方
ビジネスシーンでは、ボトルネックは、「全体の作業工程の中で、最も良くない影響を与えてしまっている箇所」を指します。
処理能力の限界や制約となる箇所を、瓶の首になぞらえています。また、ボトルネックを省略して、ネックと呼ばれることもあります。
引き起こす問題と課題
ボトルネックが存在すると、他の業務プロセスがどんなに効率的であっても、ボトルネックの処理能力を超えたパフォーマンスを発揮することができません。
例えば、ある製造業における組み立て工程にて、処理能力を超えるスピードで部品を生産した場合、部品同士をすぐに組み立てできないために在庫が積みあがります。工程にボトルネックがあることによって、全体のパフォーマンスが落ちるだけでなく、過剰な在庫とその管理コストが発生します。
加えて、もしそのボトルネックを放置し、そのままにした場合、生産スピードが落ち、結果納期に間に合わず、顧客やユーザーに迷惑をかけることにもつながります。最終的には、顧客やユーザーを失いかねません。
解消する手法とは
ボトルネックを解消することで、全体最適を図り、全体のパフォーマンス向上を目指す手法があります。それは、TOCです。
TOCとは
TOCとは、「Theory of Constraints」の略称です。日本語では制約理論と呼ばれます。TOCは、「ザ・ゴール」の著者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が提唱した理論です。
これは、全体のパフォーマンスを改善するためには、業務やシステムのパフォーマンスに影響を与える制約条件、すなわちボトルネックを継続的に改善することが必要という考え方です。
ここまでのセクションでは、ボトルネックを解消するために、TOCという理論があることをご理解いただけたと思います。
次のセクションでは、ボトルネックを解消するためにTOCをどのように進めたらいいのか。その流れとステップをまとめてみました。
TOCの流れとそのステップ
TOCを活用してボトルネックを解消するには、大きく4つのステップがあると考えられています。今回はそのステップをそれぞれご紹介します。
- ボトルネックを見つける
- ボトルネックを最大限に活用する
- ボトルネックを業務全体の処理能力を合わせる
- ボトルネックを改善し、強化していく
それでは各ステップを詳しく見ていきましょう。
ボトルネックを見つける
TOCの最初のステップは、業務全体のボトルネックを見つけることです。具体的には、「ムリ、ムラ、ムダ」が発生している箇所。または、生産設備の能力によって物理的な制約が生じている箇所を特定することから始まります。
ボトルネックを最大限に活用する
第1ステップでボトルネックが特定し、そのボトルネックを最大限に活用するのが第2ステップです。ボトルネックの処理能力が、業務全体の処理能力の限界となってしまうため、まずは、ボトルネックの処理能力を最大限に活用します。
ボトルネックを業務全体の処理能力を合わせる
第3のステップは、ボトルネックの処理能力に業務全体の処理能力を合わせます。 もし処理能力の低い方に合わせると、パフォーマンスが低下するように思えます。しかし、ボトルネックよりも処理能力が高い業務工程では、すぐに必要のない在庫を増やすリスクや待ち時間が発生している場合があります。そこで、ボトルネックに合わせることが、無駄なコストの発生を避け、全体最適につながっていきます。
ボトルネックを改善し、強化していく
第3ステップで現状のボトルネックに合わせて業務が最適化されたら、第4ステップでは、ボトルネックの能力強化を行います。これは、ボトルネックの処理能力の向上に合わせ、他の業務工程の処理能力も上げていき、全体のパフォーマンスを高めていくことができます。
このようにしてボトルネックが解消されたたら、第一ステップに戻り、新たなボトルネックを特定し、改善を繰り返します。一連のステップを繰り返していくことで、継続的に業務のパフォーマンスを改善していくのがTOCです。
システムを用いた解消
TOCを実践し、ボトルネックを解消するためには、「SAP S/4HANA」のようなERPを活用することが有効です。
SAP社が提供する「SAP Signavio Process Intelligence」のような、ビジネスプロセスインテリジェンス(BPI)ソリューションを利用することで、全ての業務プロセスを可視化し、ボトルネックとなっている箇所を洗い出すことが可能です。
なお、「SAP S/4HANA」は、DXを実現するためのITソリューション群の中核をなす、「デジタルコア」です。この「デジタルコア」とBPIソリューションやAIやIoTなどの最新の周辺のデジタルテクノロジーを連携させ、活用していくことで、エコシステムを実現でき、企業のあらゆる業務を一元管理し、全体最適を実現してういくことが可能です。
「SAP S/4HANA」のようなシステムを活用し、あらゆるプロセスにインテリジェンスを組み込み、SAP社が提唱するDX戦略「インテリジェントエンタープライズ」の実現に向けて、我々も進化していきましょう。
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