デジタルコアとは

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2018年、SAP社では「インテリジェントエンタープライズ」というコンセプトを打ち出し、得意とする ERPの分野にAI、RPAなどの最先端技術を組み合わせ、包括的なポートフォリオとするとともに、ビジネスの在り方を変えようという試みを開始しました。

SAP社では、インメモリデータベースプラットフォーム「SAP HANA」上に構築されたERPである「SAP S/4HANA」を、企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を実現するITソリューション群の中核をなす“デジタルコア”と位置づけています。

今回はこれらの意義について解説します。

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ERPが、デジタルコアへ

従来は、ヒトが情報を探して分析し、使用するという考えに基づき、ERPの役割は情報の処理と記録が中心でした。そのため、ERPを活用するためには、ヒトがその概念やノウハウを学ばなければなりませんでした。

しかし、次世代型ERPである「SAP S/4HANA」が登場し、ERPは情報を自動的に分析・報告し、ヒトと一緒に働くためのツールとなりました。つまり単なる記録ではなく、予測や最適化がERPの役割に変わり、従来の固定的・長期安定を目指した構築や運用から、継続的な進化と高付加価値業務を重視した活用法にシフトしました。

そして、従来分離されていた基幹業務と分析業務との統合が、「SAP S/4HANA」の登場と共に次世代のERPのコンセプトとなりました。

「SAP S/4HANA」では、業務データの発生から分析、そしてアクションまでを同一基盤上で処理することができます。さらには、中間テーブルやインデックスの生成を排除した「データモデルのシンプル化」、「データスループットの向上(リアルタイム化)」、ERP周辺機能の取り込みによる「ERPのシンプル化」も実現しました。

インテリジェント・エンタープライズとは

インテリジェント・エンタープライズとは、ERPをはじめとした業務アプリケーションとAIやIoT、アナリティクスなどの最新のデジタルテクノロジーが融合し、活用している企業、次世代IT環境を指しています。

SAP社は、インテリジェント・エンタープライズの構成要素を大きく3つに分類しています。

まず、デジタルコアである「SAP S/4HANA」を中核として連携する、「SAP Customer Experience:旧 SAP C/4HANA」、「SAP Ariba」、「SAP SuccessFactors」、「SAP Fieldglass」、「SAP Concur」といった業務アプリケーション群があります。

そして、社内外ビッグデータの統合基盤や外部IoTデバイスとの接点が二つ目です。

その両者の間でインテリジェンスを提供し自動化を加速させる「SAP Leonardo」などのインテリジェントテクノロジーが三つ目です。

こうしたアプリケーションやテクノロジーを活用することで、従業員がより価値の高い成果に集中することを実現するのが、インテリジェント・エンタープライズです。

昨今、「外部環境」や「技術進展」、「内部環境」のそれぞれの領域において、大きな変化が生じています。外部環境では、変化のスピードが加速しており、市場の多様化や複雑化に伴いきめ細かなデータ基盤が求められています。そして、機械学習やAI、IoT、ブロックチェーンなどの新しい技術の台頭、進展が企業ITに大きな変革をもたらしつつあります。また内部環境を見てみると、特に、日本企業では『スピード経営』の実現に向けてAIへの期待が高く、業務効率化は待ったなしの段階になっていると言われています。

インテリジェント・エンタープライズが必要とされるようになった背景には、こうした変化があります。

DXの実現に向けて

日本企業は、SAP社が掲げている「インテリジェント・エンタープライズ」という点では、後れを取っていると言われています。先行する欧米企業に追いつき、DXを実現するためには、AI、機械学習、IoT、といったインテリジェントテクノロジーを活用する必要があります。

そして、SAP HANAの力を活用し、DX化を加速化していかなくてはなりません。さらに、オペレーションを自動化し、顧客対応からヒト事、経理・財務、製造、サプライチェーン、調達まで、あらゆるプロセスにインテリジェンスを組み込み、SAP 統合型アプリケーションスイートにより、ビジネスのあらゆる領域でスピードと柔軟性を向上させることが、今後のビジネスの成長や生き残りにとって不可欠になっていくでしょう。

新型コロナの影響により、世界中でいち早く“ニューノーマル”の環境への対応が求められています。「変化への対応力」が求められる中で、DXへの関心、ニーズはますます高まっています。DXの取り組みで、よく問題視されるのは、導入が目的化しやすいこと、ビジネス効果が見えにくいこと、全体最適ができないことです。

これらを解消するためには、戦略を基軸に「データ管理」、「業務プロセス」、「テクノロジー」それぞれの視点で、計画を立て、実践することが重要です。

また、DXに取り組まなければ企業は存続できないという見方もされています。企業がIT活用において目指すべき姿であるインテリジェント・エンタープライズ。データをインテリジェントに活用し、プロセスの自動化とイノベーションを強力に推進していくことができる大きな武器です。

DXの実現に向けて、ここで新たな変革に取り組んではいかがでしょうか。

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