データマッピングとは?データ連携と迅速な経営判断の実現に向けて
企業が保有するデジタルデータを資産として活用し、経営判断に活かしていくためには、データマッピングでデータ活用の土台を整え、データ連携を実現することが不可欠です。
今回のコラムでは、企業が抱えるデジタルデータの管理課題をはじめ、それを解決するための手段。そして、その活用方法についてご紹介します。
INDEX
データマッピングとは
データマッピングとは、システムが持つデータベース間の違いを超えてデジタルデータを統合するプロセスを指します。
現在のビジネスでは、複数のシステムを利用し、システム間でデータが連携するのが当たり前です。しかし、データの粒度や保存形式をはじめ、構造がシステム間で異なると、システムをまたいだデータの同期やその活用ができません。
したがって、システム間の違いを超え、データを統合し、ビジネスにおいて迅速な意思決定に利用できるようにデータを均質化することが必要です。
デジタルデータは、ただ保有されるだけではなく、活用されることで価値が生まれます。
企業が持つシステムには、膨大なデータがそれぞれのシステムに保管されています。加えて、そのデータ量が日々増えていくような現在のビジネスにおいては、データマッピングの品質はデータを最大限に活用するために非常に重要です。
企業が抱えるデータ管理の課題とは
データを活用するためには、どこに、どのようなデータがあるかを把握し、そのデータを企業のインテリジェントへ変換していくことが必要です。それを実現するためには、適切なデータ管理が不可欠です。
しかし、データ管理に課題を抱えている企業は少なくありません。ここでは、どんな課題を抱えているかを見て行きましょう。
データの散在
例えば、データが散在して、必要なデータを探し出せないようなケースです。
データが一元管理されておらず、会社の部門ごとで管理されている状態では、必要なデータを探すことは非常に困難です。
また、同じようなデータを多く抱え、どれが最新のデータかどうか把握できないこともあるでしょう。このような場合は、必要なデータと不要なデータの区別。そして、履歴も適切に管理することで避けることができます。
増え続けるデータの管理コスト
もし、必要なデータと不要なデータを十分に整理ができないと、そのままデータは増え続けていきます。データ量の増加に伴い、その管理コストも際限なく増えていきます。
膨大なデータを管理するためにITシステム環境を導入、あるいはアップグレードするための費用や、複数のサーバーを維持するための費用が必要です。
セキュリティ対策、BCP対策が十分でない
企業によるウイルス対策などが万全でない場合、機密情報が漏洩するような事態が発生します。
もし漏洩した場合、ビジネス上の損失は計り知れません。加えて、PCの紛失や、災害時のデータ消失といった非常事態への備えも必要です。
デジタルデータ連携の実現に向けて
例えば、ERPを提供しているSAP社では、インテリジェントエンタープライズを実現するためのサービスとして、2021年1月より「RISE with SAP」を提供開始しました。
その中で、データ活用、データの拡張、そしてアプリケーションとデータの活用を目指したデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を実現するためのプラットフォーム、「SAP Business Technology Platform(以下 SAP BTP)」を提供しています。
エンドトゥエンドのデータマネジメントを通して、DXに必要な構成データの準備と統合を行う「アナリティクス、データベース&データ管理」をはじめ、AIやブロックチェーンといった最新テクノロジーを活用する「インテリジェントテクノロジー」。そして、ローコード/ノーコードによって、拡張や融合を可能とするサービス群で構成されています。
NTTデータ グローバルソリューションズは、「BTPデータ活用基盤サービス」、「BTP統合サービス」、「BTP拡張サービス」および「BTP基本サービス」の4つのサービスから構成される「SAP BTPサービス」を提供しています。
「BTPデータ活用基盤サービス」は、「SAP BTP」をデータ活用基盤として活用することを支援し、「SAP HANA Cloud」や「SAP Data Warehouse Cloud」などを活用してデータ活用基盤を構築。そして、データの集約や分析、活用を行うことを実現します。
なお、「SAP HANA Cloud」は、クラウドネイティブで設計され、あらゆるシステムを統合したデータ活用の基点として活用できます。
「BTPデータ活用基盤サービス」を利用することで、システムを横断してデータを一元管理する仕組みを構築し、そこからビジネスに役立つ知見を引き出すことができます。
更なるデータ連携で、迅速な経営意思判断を実現とは
さらに、「SAP BTP」を用いて、SAP社のSFA領域の「SAP Sales Cloud」とERP「SAP S/4HANA Cloud」の連携も可能です。
この連携により、「SAP Sales Cloud」から販売見積もりを依頼し、「SAP S/4HANA Cloud」が在庫状況や与信限度枠のチェックをシームレスにプロセス連携実現します。
また、「SAP Sales Cloud」を介して、「SAP S/4HANA Cloud」のデータを参照できます。加えて、品目マスタなどのマスタデータと、見積もりや受注といった営業プロセスを連携させることで、業務効率化のみならず、営業プロセスを可視化も可能です。これにより、リアルタイムのデータ活用による、経営意志判断の迅速化を実現できます。
「SAP BTP」をはじめとするソリューションを活用して、デジタルデータの管理課題を解決し、企業のDX化を推進していきませんか。
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本サービスは、WebサービスなどのAPIを意識したデータ連携ではなく、SAP社が提供するSAP® Business Technology Platform(SAP BTP)による、SAP Sales CloudとSAP S/4HANA Cloudのプロセス連携です。これにより、顧客を起点とした情報価値の高度化と業務プロセスのシンプル化を実現します。 ダウンロード