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ERPの市場規模を詳しく解説!
ERP製品を選ぶ際のポイントとは?

企業の経営改革や業務効率化を実現する手段の一つとして、ERPは多くの企業で導入されています。

ERPとは、販売管理や財務管理、人事・給与管理、在庫購買管理、生産管理などの企業の基幹情報を、統合的かつリアルタイムに処理し、効率的な経営スタイルを目指す経営概念です。「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の頭文字をとった略語であり、一般的には「企業活動におけるあらゆる情報を連携・集約した統合基幹業務システム」を意味します。

しかし、ERPの種類・製品は多岐にわたるため、どのERP製品を導入するべきか迷う方も多いでしょう。

信頼性が高く、自社の事業展開に合うERPを導入するためには、ERPの市場規模や主要ベンダーを把握しなければなりません。

そこで本記事では、ERPの市場規模や国内外の主要ベンダーについて解説します。さらに、ERPを導入することで解決できる課題や、ERP製品を選ぶ際のポイントも紹介します。

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INDEX

ERPの市場規模

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はじめに、ERPシェアとERP市場の売上金額について解説します。

ERPシェア

ERP市場は現在、複数のベンダーによって激しい競争が行われています。

いくつかの大手ベンダーが市場の主導権を握っており、その存在感は非常に大きいといえるでしょう。世界的には、SAP社、Oracle社、およびMicrosoft社が、市場シェアの高いベンダーとして広く認知されています。国内のミッドマーケットでは、大塚商会、富士通、およびSAPジャパンが主要なベンダーです。

ERP市場の主要なベンダーは、パッケージ型やSaaS型など、多様な形態でERP製品を提供しています。また、顧客のニーズに合わせた機能をもつERP製品を提供することで、幅広い戦略を市場へ展開し、競争力を維持・向上させています。

参考記事

ERPの売上金額

日本国内におけるERP市場の2022年度の売上金額(※)は1,645億円となっており、前年2021年度の1,467億円よりも増加しました。また、2026年度には2,420億円の売り上げ規模になると予測されています。

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※出典:ITR プレスリリース(2023 年3月23日)

※出典:ITR「ITR Market View:ERP 市場2023」図.ERP 市場規模推移および予測:提供形態別(パッケージ部分は運用形態別)(2020~2026 年度)

パッケージ(IaaS・オンプレミス)・SaaSの提供形態別で比較すると、SaaS型の売上が今後増加する見込みです。クラウドERPは、データドリブン経営の基盤として優れている点が特徴であり、導入する企業が増加しています。

参考記事

【世界】ERPの主要ベンダー

この章では、世界で高いシェアを誇るERPベンダーである「SAP社」「Oracle社」「Microsoft社」の3社について解説します。

SAP社

SAP社は、ドイツに本社を置く世界でも有数の大手ベンダーです。ERP市場でトップを誇るベンダーとして認知されており、調査機関であるガートナー社は、SAP社を最高評価のリーダーに認定しています。

世界規模で事業を展開している大企業に対して、ERP製品や周辺のソリューションを提供していますが、企業規模に合わせたさまざまなタイプのERP製品も提供しています。

Oracle社

Oracle社も、世界のERP市場で高いシェアを誇っているベンダーです。世界200カ国を超える企業での採用実績があり、クラウド型ERPの「NetSuite」や「Oracle Fusion Cloud ERP」などを提供しています。

特にNetSuiteは、Oracle社の代表的なクラウド型ERPで、29,000社以上の導入実績があります。19以上の言語と190種類以上の通貨に対応している点が特徴であり、各国に事業を展開しているグローバルな企業においても、円滑な業務統合が可能です。

Microsoft社

Word、ExcelなどのOffice製品を提供しているMicrosoft社も「Microsoft Dynamics 365」と呼ばれるERP製品を提供しています。Microsoft Dynamics 365は、ERPだけではなく、CRMやSFAなど複数の領域をカバーしていることが特徴です。

ERP 導入には、通常多くの費用や時間がかかりますが、Microsoft Dynamics 365の場合、Office製品を普段から利用している企業であれば導入ハードルはそれほど高くありません。

そのほか、アメリカやインド、中国など人口の多い国を中心にシェアを広げているIntuit社も高いシェアを誇るERPベンダーです。中小企業向けのERP製品を主に取り扱っています。

【国内】ERPの主要ベンダー(ミッドマーケット)

ERPは世界規模に展開している製品もあれば、日本国内の企業を中心に展開している製品も存在します。

この章では、日本国内のミッドマーケットにおけるシェアが高いERPベンダーである「大塚商会」「富士通」「SAPジャパン」の3社を紹介します。

株式会社大塚商会

大塚商会は、国内のERPシェアトップを誇る企業です。ERPだけではなく、生産管理システムや販売管理システムなど多彩なITソリューションを提供している点が特徴です。

ERPなどの基幹系や情報系システムの開発・導入を、ワンストップで提供できる強みがあり、連携性が高いシステムを顧客に提供しています。また、大塚商会は「DX認定取得事業者」として経済産業省から認定されており、国内企業のDX支援などにも積極的に取り組んでいます。

大塚商会の主力ERP製品が「SMILEシリーズ」です。顧客の事業に合わせて柔軟にシステムを構築できます。また、日々蓄積されていくデータをリアルタイムに各種資料へ反映でき、経営判断に活かすことも可能です。

富士通株式会社

富士通は、主に中小企業向けのERP製品を提供しています。

7つの基幹業務(経営・会計・人事・労務・販売・貿易・生産)と現場業務をつなぐ「GLOVIA iZ」や、製造・小売・サービス・食品業など各業種に特化した「GLOVIA smart」が主力製品です。

GLOVIA iZは、全業務を一括導入するビッグバン型か、段階を踏んで導入するベストプラクティス型のどちらかを選択できます。

SAPジャパン株式会社

SAPジャパンは、前述したSAP社の日本法人であり、1992 年に設立されました。ソフトウェア製品の販売や導入支援、テクニカルサポートなどをメインに事業を展開しています。

SAPジャパンでは、国内企業向けにSAP社製のERPや周辺のソリューションを数多く提供しています。

参考記事

ERPの種類

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ERPは、大きく「クラウド型」「オンプレミス型」「ハイブリッド型」の3種類に分けられます。この章では、各タイプのメリット・デメリットを解説します。

クラウド型

クラウド型のERPは、ベンダーがクラウド上に構築したERPを利用するタイプです。

メリットとして、手間のかかるサーバーの準備やソフトウェアのインストール、構築作業などが不要なため、短期間で導入できます。

すぐにERP導入を行って利用を開始したい企業に最適です。また、サーバーの導入費用や構築費用もかからないため、初期費用を抑えられます。

一方で、クラウド型のERPのデメリットは、セキュリティ対策がベンダーに依存しやすい点です。

社内にシステムを構築するオンプレミス型よりも、セキュリティレベルは低くなります。また、カスタマイズの自由度がオンプレミス型ほど大きくない分、ERPの標準機能に自社の業務プロセスを寄せていく必要があります。

そのほか、クラウド型のERPは基本的にインターネット環境からシステムを利用するため、通信環境が安定していないと使いにくいことが指摘されています。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社にサーバーを設置してシステムを構築するタイプです。

自社にサーバーを設置するため、外部のネット環境と切り離すことができ、セキュリティを強固にできるメリットがあります。また、自社の業務に適した形で、システムを柔軟にカスタマイズすることが可能です。インターネット環境が不要なため、インターネットの不具合や電波状況などに左右されずに利用できることも魅力でしょう。

オンプレミス型のデメリットは、導入コストが高額になりやすい点です。サーバーの導入費用に加えて、日々の運用・メンテナンスの運用・保守コストも発生します。また、自社内で障害対応などを行う必要があるため、運用・保守に関する知識をもった人材の確保が必要です。

オンプレミス型は社内ネットワークに接続して利用する形です。万が一建物が災害の被害に遭ってしまうと、サーバー自体が稼働しなくなったり、復旧作業に時間がかかったりするリスクもあります。

ハイブリッド型

ハイブリッド型は、クラウド型ERPとオンプレミス型ERPを組み合わせて利用するタイプです。

業務内容や拠点の規模に合わせて、最適な組み合わせを実現することで、それぞれのデメリットを抑えられます。たとえば、本社ではオンプレミス型を使用し、子会社をはじめとした中小規模拠点ではクラウド型を使用するといった方法があります。

このように、ERPにはいくつかの種類がありますが、今後はクラウド型を主体に運用する企業が増えると予測されています。

たとえば、SAP社では、本社にはプライベートクラウドを、子会社をはじめとする中小規模拠点にはパブリッククラウドを導入する構成を見据えています。

SAP社の提案のように本社・支社という形で複数の拠点で事業を展開している企業の場合、構築作業が不要でスピーディーにシステム導入できるクラウド型のメリットは大きいといえるでしょう。

ERPで解決できる課題

ERPを導入することで、以下の課題を解決できます。

  • 社内にあるデータを有効に活用できていない
  • 統一されていない業務フロー
  • 情報管理が煩雑になっていて適切な内部統制がされていない
  • 運用負荷・管理コストの増大
  • これらの課題解決に、ERPがどのように役立つのかを詳しく解説します。

    社内にあるデータを有効に活用できていない

    昨今のクラウドサービスの増加に伴い、社内データの適切な管理と、データの有効な活用が課題となっている企業が多く見られます。

    企業の売上を向上させるためには、社内に散在しているデータを整理し、従業員がどこからでもデータを利用できる環境を構築しなければなりません。

    ERPを導入すれば、各業務システムから生成されるデータの一元管理が可能です。

    リアルタイムにデータを分析・活用できる環境を整えることで、スピーディーな意思決定や経営判断に役立てられます。また、ERPは経営状況を可視化する機能も搭載しています。売り上げ状況や企業の資源、従業員の情報なども可視化できるため、企業として今後行うべき戦略・方針を立てやすくなるでしょう。

    統一されていない業務フロー

    社内の業務フローが統一されていない状態では、手順を確認したり、作業をやり直したりする必要があり、無駄な作業が発生します。特に部門やチーム間で連携がとれておらず、業務フローに一貫性がない企業では、作業が属人化しているケースも少なくありません。

    ERPを導入すれば、業務フローを統一でき、社内処理の業務効率アップにつながります。業務プロセスを標準化することで、属人化の解消も期待できるでしょう。

    また、企業内で複数のシステムを利用している場合、二重で入力作業が発生するケースがよく見られます。たとえば、顧客に商品を販売した際、顧客管理システムに営業や取引内容を入力し、販売管理システムに販売した商品や売上金額などを入力するなど、各システムにわざわざログインして入力しているケースです。

    ERPは、モジュール同士で連携される仕組みであるため、二重で入力する手間がなくなり、無駄な業務を削減できます。これにより、入力ミスや転記ミスなども減らせるでしょう。

    参考記事

    情報管理が煩雑になっていて適切な内部統制がされていない

    アクセス権限や申請・承認などを複数のシステムで行っている場合、情報管理が煩雑になりやすく、内部統制を行いづらくなります。適切な内部統制がされていないと、データの不正持ち出しやデータ改ざんなどの内部不正につながりかねません。

    ERPを導入することで、社内データの更新権限・申請権限などを適正に管理できるようになります。不正なデータ閲覧や書き換えを防止でき、内部の情報統制を強化することが可能です。

    近年では、社内の重要データの持ち出しや改ざんなどの内部不正があとを絶ちません。一度でもセキュリティ事故が起こってしまうと、金銭的な損失や社会的な信頼低下、顧客との取引中断などにつながり、健全な企業運営が困難となります。

    ERPを導入して内部統制を行うことで、セキュリティ事故のリスク軽減につながるでしょう

    運用負荷・管理コストの増大

    社内のIT化やクラウドサービスによって、自宅や外出先からでも仕事ができるようになり、従業員の利便性は高くなりました。

    その一方で、従業員が社外からサービスを安全に利用するためのセキュリティ対策や、ID・パスワードの適切な管理など、運用負荷・管理コストは増大しています。

    ERP導入によってシステム運用を集約できるため、運用負荷とコストの削減につながります。特にクラウド型ERPの場合、システム運用はベンダー側に任せられるため、大幅な運用負荷の軽減が期待できるでしょう。

    ERPを選ぶ際のポイント

    さまざまな企業がERPを企業向けに提供しており、多様な製品があります。それぞれ搭載している機能が異なります。この章では、ERPを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。

  • カスタマイズ性か標準機能か
  • 操作のしやすさ
  • サポート体制
  • どのERPを導入するべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

    カスタマイズ性か標準機能か

    まずは、自社の要件に合わせて調整できるカスタマイズ性に優れたERPを導入するのか、標準機能に自社業務を合わせていくのかを社内で検討します。

    ERPは長期的に利用することになるため、業務の変化に応じて拡張・変更が必要かどうかを考慮しなければいけません。業務に合わせて柔軟にカスタマイズできるERP製品を選ぶこともできますが、自社ビジネスの領域によっては、ERPの標準機能に自社の業務プロセスを合わせるほうが負担を抑えられるケースもあります。

    そのためには、自社の業務プロセス・領域を整理し、どのような課題があるのか、どのような機能が必要なのかを把握することが重要です。

    課題解決に必要な機能が分かれば、カスタマイズ性に優れたERPがよいのか、標準機能のみを搭載しているERPで十分なのかを判断できます。

    また、業務プロセスを標準化しておけば、M&Aや拠点拡大、システムバージョンアップの際に、カスタマイズ部分の調整に時間を割かなくて済むでしょう。

    操作のしやすさ

    ERPは多くの従業員がさまざまな目的で利用するため、操作のしやすさも重視するべきポイントです。

    画面や手順が分かりにくいERPでは、閲覧したいデータを見つけたり、データを入力したりするのに時間がかかり、業務効率の低下につながります。

    ERPを選ぶ際には、直感的で分かりやすい操作画面かどうかを確認してください。デモや無料トライアルがあれば、一度試してから導入を検討するとよいでしょう。実際に使ってみることで、操作のしやすさはもちろん、自社業務と合っているのか、課題解決に貢献できそうなのかも判断できます。

    サポート体制

    ERPは長期的に利用するシステムであるため、利用するなかでトラブルが発生するおそれがあります。そのため、サポート体制の充実度も確認しておきましょう。

    特に、初めてERPを導入する企業や、エンジニアが不足している企業の場合は、サポート体制が充実しているERPを選ぶことがおすすめです。また、企業の領域や課題なども含めて相談に乗ってもらえるかどうかも確認しておくと、スムーズに運用できるでしょう。

    具体的には、以下の点を確認してください。

  • サポートの実施方法(電話・メール・オンラインなど)
  • サポートの時間(営業時間外でのサポートはあるのかなど)
  • 導入前の相談・サポートなども可能か
  • 製品の説明・操作方法などの動画があるか
  • サポート料金はどれくらいか
  • ERPを安全に使うための情報やQ&Aなどは、ERPを提供している企業のホームページに掲載されているケースがほとんどですが、自社で対応するよりも事業者のサポートを受けたほうが問題を早く解決できることもあります。

    ERPの導入を検討する際には、必ずサポート内容を確認しておきましょう。

    ERPを導入する際の注意点

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    ERPを導入することで企業は多くのメリットを享受できますが、押さえておきたい注意点もいくつかあります。

    さまざまなコストが発生する

    ERPを導入する際には、ERP製品の検討や導入準備、社内調整などが必要です。ERPをより効果的に利用するためには、これらの準備を念入りに行わなければなりません。

    ERPの導入後、期待した効果を得られなければ、企業側の金銭的な損失が大きくなってしまいます。特に、製品選定は時間をかけて、慎重に行うことが重要です。

    また、ERP導入には初期費用やランニングコスト、カスタマイズ費用など、さまざまなコストが発生することも考慮しましょう。

    オンプレミス型ERPの場合、サーバー・ネットワークの管理を行う際の人件費なども必要です。一方でクラウド型ERPのほうが、トータルのコストを抑えられる可能性があります。

    製品ごとにどれくらいのコストがかかるのかを比較し、費用対効果を測定して適切な製品を選びましょう。

    事前のデータ整理と業務の可視化

    ERPでは多くのデータを一元管理できますが、まずは散在しているデータを整理した上でERPにデータ移行する必要があります。

    同じ商品の情報が部門ごとのルールで登録されている場合は、ルールやマスタの統一化から取り組まなければなりません。企業の規模が大きいほど、データの整理やルール統一には時間がかかるため、早めに着手しましょう。また、データの整理に加えて、既存業務を可視化することも重要です。

    普段行っている業務を可視化することで、どの業務がERPで効率化できるのか、どの業務でムダが発生しているのかを把握できます。

    全社的なセキュリティ教育の必要性

    ERPシステムには社内の情報が集約されるため、サイバー攻撃の対象となるリスクも十分に考えられます。機密情報を保護するためには、従業員に情報セキュリティ教育を実施することが重要です。

    また、セキュリティ教育と併せて、ERPの操作方法や既存の業務フローがどのように変更されるのかも説明しておく必要があります。

    新しいシステムの導入は従業員にとって負担が大きく、有効に活用できるようになるまでには時間がかかります。特に、従来の操作方法とERPの操作方法が大きく異なる場合、ERPをうまく使いこなせない従業員が出てくるかもしれません。

    全従業員がERPを使いこなせるように、ERP導入を推進する部署・責任者を決めておき、ERPの必要性や導入するメリットに関する説明や教育を行いましょう。

    SAP社が提供しているERPソリューション

    SAP社では、「SAP S/4HANA」や「SAP Business ByDesign」など、顧客のニーズに合わせたERP製品を提供しています。SAP S/4HANAはオンプレミス型ですが、クラウド型の「SAP S/4HANA Cloud」も提供しています。

    この章では、SAP社が提供しているERPソリューションを紹介します。

    SAP S/4HANA

    「SAP S/4HANA」と「SAP S/4HANA Cloud」は、インメモリデータベースである「SAP HANA」を採用し、高速なデータ処理速度を実現しています。レスポンスタイムが大幅に短縮されることで、TCO(総所有コスト)やストレージコストの削減につながる点が魅力です。

    SAP社では「SAP ERP Central Component (SAP ECC)」というERPも提供していましたが、2027年にサービス終了が決定しているため、SAP S/4HANAへの移行が進んでいます。

    SAP S/4HANAは、同一プラットフォームで分析・レポーティングを行える点もメリットです。従来は、ERPとは別にデータウェアハウスを構築していましたが、SAP S/4HANAではビジネスで必要な情報を即座に取得できます

    参考記事

    SAP Business ByDesign

    SAP Business ByDesignは、会計管理や人事管理、調達・購買管理、生産管理、販売管理などのカテゴリで必要な機能を網羅しているERPです。主に大企業の子会社や中堅・中小企業、海外拠点などの企業が対象となっています。

    SAP Business ByDesignは、SaaS型のERPであり、インフラ環境の整備は必要ありません。低コストかつ短期間での導入が可能です。毎月発生するコストを把握しやすいメリットもあります。また、多言語・多通貨に対応しているため、海外に拠点がある企業にも最適です。

    まとめ

    ERPのシェアと市場規模について解説しました。2022年度のERP市場の売上金額は1,645億円であり、2026年度には2,420億円の売り上げ規模になると予測されています。世界的にはSAP社やOracle社、Microsoft社が高いシェア率を誇り、国内のミッドマーケットでは、大塚商会や富士通、SAPジャパンが主要なベンダーです。

    ERP導入により、データの一元管理、業務フローの統一、情報管理の効率化、運用負荷と管理コストの削減などの効果が期待できます。

    しかし、ERPを導入するには多くの準備とコストが必要です。ERP製品の検討や導入準備、データの整理、従業員へのセキュリティ教育などを同時に進めなければなりません。加えて、初期費用やランニングコストがかかることも認識しておく必要があります。

    クラウド型のERPは、サーバーなどの設置が不要で、ベンダーが基本的な管理を行うため、オンプレミス型に比べてコストを抑えられます。

    SAP社が提供している「SAP S/4HANA Cloud」と「SAP Business ByDesign」は、クラウド型のERPソリューションです。あらゆる規模の企業に対応でき、短期間かつ低コストで導入できるため、ぜひ導入をご検討ください。

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