NTTデータグローバルソリューションズ

モダナイゼーションとは


最近、古い業務システムを現在のニーズに合ったシステムへとよみがえらせる「モダナイゼーション」という言葉を耳にする機会が増えてきました。蓄積してきた情報資産を活かしながら、最新テクノロジーを活用できるハードウェアやソフトウェアへと置き換え、企業競争力の維持・強化を実現する手段として注目が集まっています。

モダナイゼーションの目的

企業の中には、メインフレームなど20~30年前に導入した基幹システムを大規模改修しないまま使い続けているところがあります。長年にわたって使い続けてきた業務システムには、業務と一体化し、簡単には置き換えできないソフトウェアが含まれています。そこにはもちろん、膨大な業務データも蓄積されています。

しかし、長期間にわたって業務システムを運用していると、使い勝手の良さは次第に低下していきます。ビジネスの変化に合わせて業務プロセスを改善していくなかで、細かな機能追加や仕様変更が何度も行われます。その結果システム自体が複雑化し、維持管理に多額のコストと時間がかかるようになってしまうのです。そればかりか、内部構造、変更過程を熟知したエンジニアが退職してしまい、ブラックボックス化してしまうことさえあります。

老朽化に直面しながら、重要な情報資産を含むこのようなシステムは「レガシーシステム」と呼ばれます。そこで情報資産を活かしながら、レガシーシステムを現在のニーズに応える形に作り変えることが、モダナイゼーションの狙いです。

いま、モダナイゼーションに注目が集まる理由

レガシーシステムの多くが、ビジネス環境の激しい変化に対応できなくなってきています。さらに、ビジネスのグローバル化を進める企業も増えていますが、グローバル化は容易なことではありません。日本の市場は言葉や文化などの特殊性から、海外企業にとっては参入障壁の高い市場となってきたため、日本企業は守られた環境の中で育ってきたといえます。ところが海外市場では百戦錬磨の競合と同じ土俵で戦うのですから、商材をローカライゼーションするのはもとより、ビジネスモデルや業務プロセスも現地市場のニーズに合ったものへと変化させる必要があります。

また海外市場でも、詳細かつ迅速な業務情報の収集と活用は欠かせません。しかし、これまで活用してきたレガシーシステムを、海外拠点にそのまま展開することは困難です。通貨や法規制などの違いに加え、業務プロセス自体が日本とは違ったものになる可能性が高いからです。また、日本の企業ガバナンスの常識が通用しないことも想定しておく必要があります。

一方、国内でもデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増えてきました。データとデジタル技術の活用により、ビジネスモデルや業務プロセスなどを変革していく動きです。しかし、レガシーシステムにはDXに対応できるアーキテクチャにそもそもなっていません。そのため企業が成長力の向上を図ろうとしても、システムが成長と改革を阻害する足かせになりかねません。

自社の課題と状況を見極めて、最適な手法を選択

時代のニーズに応える業務改革に向けてモダナイゼーションを実施するには、レガシーシステムの問題点や利用環境などを見極め、最適な手法を選択する必要があります。モダナイゼーションの手法には様々なものがありますが、ここでは代表的な「リプレース」「リライト」「リホスト」について、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

リプレースは、レガシーシステムの基盤を最新のパッケージソフトウェアなどに移行する方法です。企業が目指しているビジネスモデルや業務プロセスの姿に最も合ったシステムを導入できるため、最大限の生産性向上や業務効率化の実現が期待できます。ただし、システムを総取り換えし、なおかつ業務プロセスの見直しも伴うため、コストや作業負荷が高く、移行期間も長期化する点がデメリットとなります。抜本的な業務改革を図る際に有効な方法です。

リライトは、古い開発言語で書かれたコードを、新しい開発言語で書かれたコードに書き換える方法です。レガシーシステムの機能や仕様を維持しながら、自動変換ソフトなどを用いて、例えばCOBOLからJavaなどへと移行します。この方法のメリットは、コストを抑えて最新技術に対応できることです。また、カスタマイズを繰り返したレガシーシステムの移行もできます。ただし、適切かつ円滑にリライトを進めるためには、書き換える前のレガシーシステムのドキュメントが、しっかりと管理されている必要があります。さらに、初期導入やカスタマイズに関与したエンジニアの協力が必要になるケースも多く、なかなかハードルの高い手法とも言えます。

リホストは仮想化技術などを用いて、レガシーシステムのハードウェアやOSなどを最新システムの上で再現します。ソフトウェアやデータなどは、そのまま移行します。保守サポート切れなどに直面したレガシーシステムの延命を目的として利用されることが多い方法です。近年では、クラウドサービスを利用してリホストを行う例が増えています。クラウドを利用すれば、必要な移行先を迅速かつ柔軟に用意できるためです。ただし、レガシーシステムのソフトウェア部分の機能や仕様が温存されるため、最新のテクノロジーへの対応が困難な場合があります。

モダナイゼーションと業務改革は同時に進める

モダナイゼーションの効果を最大化するうえで、いくつかの注意点があります。レガシーシステムには、複雑なカスタマイズが加えられている例が多く見られますが、カスタム化した機能や仕様の維持にこだわってモダナイゼーションを行うと失敗しがちです。移行作業が膨大になるだけでなく、変革すべき業務プロセスが旧態依然のまま温存される可能性があるからです。

また大規模な刷新を進める際には、高すぎる理想を掲げないことです。システムを利用する現場の人たちの意見を吸い上げることは重要です。しかし、あれもこれも盛り込んで非現実的な移行効果を想定してしまうと、膨大な費用と時間をかけた揚げ句に期待はずれのシステムができあがる可能性があります。

単に最新テクノロジーを盛り込んだシステムへと移行するだけではなく、同時に新たなITを活用した抜本的な業務改革を進めることが、モダナイゼーション成功のポイントです。

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