SAPのソリューション

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進などの経営課題の解決に向けて、ERPソリューション、クラウドアプリケーションや開発・運用基盤を組み合わせて、グローバルなエコシステムを構築のためのソリューションです。

お客様の課題

業種や規模によって企業の課題は経営課題、業務課題、システム課題など多様です。さらにそれぞれ課題は単一分野の課題だけではなく、相互に関連することで複雑になっています。

GSLが提供するサービス

様々な業種に関する技術・ノウハウに裏付けられたソリューション力をベースにした豊富な SAP Business-all-in-one テンプレートワンストップサービス体制で、導入から保守までをサポートします。

お役立ち情報

NTTデータGSLは日本企業のDX推進やグローバルビジネス展開の支援を提供しています。
GSL Tech Blogでは、最新技術に関するノウハウやナレッジをまとめています。
GSLコラムでは、製品情報だけではなく、トレンドや基本的な用語の解説などをまとめています。
関連資料ダウンロードでは、お客様の課題やソリューションをまとめた資料を用意しています。
GSLニュースは、SAPソリューションをはじめ周辺系システムとの連携を通じたDX推進など、最新の情報をメールマガジンでお届けします。
GSL University Journalは、企業内大学である「GSL University」における各研究室の教授等によるインサイトや成果報告、社員からの寄稿をまとめております。
ぜひご覧いただき、お役立てください。

企業情報

日系企業のグローバル展開に伴う、システムのグローバル化需要に応えるために、NTTデータグループにおけるSAP事業の中核会社を設立し、国内のグループ会社に分散しているSAPソリューション、業務ノウハウの一体化を図り、戦略的な事業経営を目指します。

SAP Business Technology Platform
ABAP環境とオンプレミスシステムを接続してみました

2022年5月23日

  • SAP BTP
  • データ連携
  • 業務効率化
本ブログでは、SAP社が提供するSAP Business Technology Platformを活用した、ABAP環境とオンプレミスシステムを接続する方法をご紹介します。 既存のABAP資産やノウハウを活用でき、以前に比べてアプリケーション開発がスピーディに実施できます。また他のサービスとの連携が容易になり、業務プロセス改善を実現できます。ぜひご一読ください。

はじめに

SAP Business Technology Platformとは

SAP Business Technology Platform(以下 SAP BTP)は、インテリジェントなエンタープライズアプリケーションとデータベースおよびデータ管理、分析、統合、拡張機能を含むプラットフォームとして、すべてのSAP社が提供するソリューション、サードパーティアプリケーション、およびデータ資産を統合および拡張できるようにするツールと製品のセットです。

GSL_Tech_Blog_7-1.png

今回の検証環境

今回の検証はオンプレミスシステム側でSAP Cloud Connectorを、SAP BTP - ABAP環境上でデスティネーションを設定します。その後、Remote Function Callを利用してオンプレミスのシステム情報を読み込むことでSAP BTP⇔オンプレミスシステム間の接続確認を行いました。

GSL_Tech_Blog_7-2.png

本検証で利用するSAP BTP - ABAP環境は、SAP社が提供するABAP開発のためのPaaS(Platform as a Service)であり、開発者はSAP S/4HANAでも活用されているABAPノウハウで、SAP BTPでABAPアプリケーションを開発・実行できることが特徴です。

SAP BTP - ABAP環境とオンプレミスシステムとSAP S/4HANAの接続検証

1.SAP Cloud Connectorの設定

①オンプレミスシステムでSAP Cloud ConnectorからSAP BTPのSubaccountを定義します。

こちらの設定によりSAP Cloud Connectorと接続するSAP BTPのサブアカウントに紐づくことが可能です。

GSL_Tech_Blog_7-3.jpg

②Subaccountの定義が完了したら、追加したSubaccountを指定し、オンプレミスシステムとの接続を追加します。

こちらの設定により①で登録したSubaccountと連携するオンプレミスシステムがマッピングされます。正しく設定された場合は、StatusとCheck Result欄に緑色の印が表示されます。

GSL_Tech_Blog_7-4.jpg

※Virtual Host: Virtual情報を利用することで内部ホスト情報を非表示にできます。

③SAP BTP – ABAP環境で呼び出したい汎用モジュールのリソースを追加します。

今回はSAP BTP - ABAP環境とオンプレミスを接続する検証のため、オンプレミスシステムの情報を取得する汎用モジュール指定します。

GSL_Tech_Blog_7-5.jpg

2.Destinationの設定

SAP BTPのSubaccount設定画面に入り、Cloud Connectorで指定した宛先情報をSAP BTPサブアカウントにDestinationとして保存します。

Destinationの設定はアプリケーションからオンプレミスへのアウトバウンド通信の接続を定義するために必要な設定です。

GSL_Tech_Blog_7-6.jpg

3.プログラムの作成

クライアント環境の開発ツールであるABAP Development Toolsを開き、下記の様に入力してオンプレミスシステムのシステム情報を取得するコードを追加します。

また、i_nameには2で設定したDestination名として置き換えます。こちらの設定により設定済みのDestinationから1-②で追加したオンプレミスシステムの情報を取得する汎用モジュールを呼び出すことができます。

GSL_Tech_Blog_7-7.jpg

4.結果確認

3で作成したテストプログラムを実行します。ABAP Development Toolsのコンソールからホスト名、システムID、IPアドレスなどのオンプレミスシステムの情報が取得されることを確認します。

GSL_Tech_Blog_7-8.jpg

終わりに

オンプレミスシステムの統合として今回は簡単な設定でSAP BTP - ABAP環境とオンプレミスシステムの通信方法についてご紹介しました。

最後にSAP BTP ABAP環境を利用するメリットについてご紹介したいと思います。

メリット

SAP BTP – ABAP環境を利用するメリットとしては大きく以下の3点が挙げられます。

  • 既存の ABAP 資産やノウハウを活用できるため、SAP BTP上でのアプリケーション開発がスピーディに実施できます。
  • SAP ERPのアプリケーションに対するプログラム改修やアドオン機能追加をSAP BTP上にリプレースすることでSAP ERPのバージョンアップ時に影響を与えないため、コアクリーンを実現します。
  • SAP BTPのABAP機能によって、他のSAP BTPサービスの利用や連携が容易となり、新たな価値創造や業務プロセス改善を実現します。
  • 上記のメリットに加えて、SAP BTPを導入することでデータ活用、Side-by-Side拡張開発などSAP BTPを効率的に利用する環境基盤が作られます。

    今回紹介しきれなかった機能についてはSAP BTPトライアル環境でも試すことができます。SAP BTPへ興味がある方は是非試してください。

    本ブログでは、今後も皆様にお役立ちする情報を提供していきます。