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SAP Business Technology Platform - SAP Integration SuiteでSlackにメッセージを投稿してみました(2) -

2023年1月31日

本記事は「SAP Business Technology Platform - SAP Integration SuiteでSlackにメッセージを投稿してみました(1) -」の後編です。前回はSAP Integration SuiteのOpen Connectorを利用して、Slackにメッセージを投稿する方法を紹介しました。
今回は、SAP Integration Suiteの機能の1つであるAPI Managementを利用します。
APIプロキシとAPI Business Hub Enterpriseの作成を行い、API Business Hub EnterpriseからAPIを実行してSlackにチャネルの作成とメッセージの投稿を行います。

検証の流れ

検証については、下記の流れで実施していきます。

  • APIプロバイダの作成:APIプロキシを作成するための前提となる作業です。前回の検証で利用したOpen Connectorの接続情報を登録します。
  • APIプロキシの作成:APIの接続ポイントとなるAPIプロキシを作成します。
  • APIプロキシのテスト:APIプロキシが正常に設定されたか確認します。
  • API Productの作成:API Business Hub Enterpriseを設定するための前提作業です。APIプロキシの情報やAPIプロキシで設定したAPIの実行制限をセットとして登録します。
  • API Business Hub Enterpriseの作成:APIを実行できるユーザの登録およびAPI Productで設定したAPIのセットを登録します。
  • Slackにチャネルの作成:API Business Hub Enterpriseを利用して、Slackにチャネルを作成します。
  • Slackにメッセージを投稿する:API Business Hub Enterpriseを利用して、Slackにメッセージを投稿します。

API Managementの機能について

利用するAPI Managementの機能の説明については、下記の通りです。

  • API プロキシ:APIを実行するサービスとAPIを要求する元(クライアント)の接続先となります。クライアントはAPI プロキシを経由して接続するので、APIを実行するサービス側で変更が生じても、クライアント側での設定変更は不要になります。
  • API プロバイダ:APIの接続先を設定します。APIプロキシを設定する際に必要な情報です。
  • API Product:APIの接続先やAPIの実行数の制限を定義したセットです。
  • API Business Hub Enterprise:設定、作成したAPIを一か所で管理できるポータルページです。

API Managementで実施する内容について、下記の図の①、②、④、⑤が検証の流れの1、2、4、5で設定する箇所となります。

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1. API プロバイダの作成

(ア)Open Connectorの画面下にある歯車マークをクリックし、Organization SecretとUser Secretを手元に控えます。

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(イ)SAP Integration Suiteのホーム画面の左側の項目一覧からConfigure APIsを選択し、「Create」ボタンをクリックします。

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(ウ)Add API Providerの画面が表示されます。Overviewタブでは、Nameに今回作成するAPIプロバイダの名前を入力します。

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(エ)Connectionタブでは接続先情報を入力します。今回は前回の検証で作成したOpen Connectorの情報を入力します。

  • Type:Open Connectors
  • Region:Open Connectorを作成したアカウントの地域
  • Host:自動入力
  • Port:自動入力
  • Organization Secret:(ア)で控えたOrganization Secret
  • User Secret:(ア)で控えたUser Secret

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2. API プロキシの作成

(ア)左側の項目一覧からDesign APIsを選択し、「Create」ボタンをクリックします。

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(イ)Create APIダイアログボックス内で下記を設定します。

  • Select:「API Provider」を選択
  • API Provider:1. API プロバイダの作成で作成したAPIプロバイダ名

(ウ)「Discover」ボタンをクリックします。

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(エ)Open Connectorインスタンスを選択し、「OK」をクリックする。

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(オ)「Create」ボタンをクリックします。

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(カ)「Save」ボタンをクリックします。

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(キ)左側の項目一覧からDesign APIsを選択します。Develop画面に作成したAPIプロキシ名が表示されます。Actionタブから「Deploy」を選択する。

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(ク)StatusがDeployedになったことを確認します。これでAPIプロキシの作成が行われました。

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3. API プロキシのテスト

(ア)左側の項目一覧からTest APIsを選択し、API Test Consoleから作成したAPIプロキシを選択します。API Actionの一覧から「GET」を選択します。

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(イ)リストボックスから末尾が/Slack/channelsのURLを選択し、「Send」ボタンをクリックします。

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(ウ)画面下部にリクエストの成功コードである「200」が表示されることを確認します。

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4. API Productの作成

(ア)左側の項目からDesign APIを選択し、Productタブの「Create」ボタンをクリックします。

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(イ)Overviewタブに以下の情報を記載する。

  • Name:API Productの名前
  • Title:API Productのタイトル
  • Quota:Requests Everyで指定した期間に実行できるAPIの実行数
  • Requests Every:Quotaを定義する期間

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(ウ)APIs(0)タブの「Add」ボタンをクリックします。

(エ)Add APIsのポップアップから作成したAPIプロキシ名を指定し、「OK」をクリックします。

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(オ)一度、画面にログインする必要があるため、API Business Hub Enterpriseをクリックし、API Business Hub Enterpriseのページにログインします。

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(カ)Design APIタブのProductタブで、作成したProductを選択し、「Publish」をクリックします。

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(キ)Statusが変更されました。

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5. API Business Hub Enterpriseの作成

(ア)API Business Hub Enterpriseをクリックし、Manage Usersタブ配下のRegistered Users タブ、「Add User」をクリックします。

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(イ)ポップアップで下記の情報を入力し、「Add」をクリックします。

  • User ID:登録するユーザのIDもしくはメールアドレス
  • First Name:登録ユーザの名
  • Last Name:登録ユーザの姓
  • Email ID:登録するユーザのメールアドレス
  • Assigned Roles:ユーザに付与する権限
  • Country Region:ユーザが所在する国/地域

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(ウ)My WorkSpaceタブ配下のApplicationタブ、「Create New Application」を選択します。

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(エ)下記の情報を入力します。

  • Title:API Business Hub Enterpriseで表示されるアプリケーション名

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(オ)Add ProductsタブのAvailable Productsで今回設定するAPI Productsを選択します。

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(カ)Application Infoタブに戻り、「Create」をクリックします。

(キ)My Workspaceタブの(エ)で作成したApplication名のタイルをクリックし、Applicationの情報が表示されることを確認します。

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6. Slackにチャネルの作成

(ア)Productsを選択し、APIsタブの配下、API プロキシ名のタイルをクリックします。

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(イ)ChannelsタブのPOST/channelsを選択し、下記の情報を入力します。

  • Authorization:「1. API プロバイダの作成」(ア)で控えたキー
  • name:作成するチャネル名を記載します

(ウ)「Execute」ボタンをクリックし、リターンコード200が返ってくることを確認します。

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(エ)(イ)で指定した名前のChannelが作成されたことを確認します。

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7. Slackにメッセージを投稿する

(オ)ChannelsタブのPOST/channels/{channelId}/messagesを選択し、下記の情報を入力します。

  • Authorization:「1. API プロバイダの作成」(ア)で控えたキー
  • name:「6. Slackにチャネルの作成」(ウ)で控えたID
  • body:text部分に投稿するメッセージを記載します

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(カ)「Execute」ボタンをクリックし、リターンコード200が返ってくることを確認します。

(キ)Slackのチャネルにメッセージが投稿されたことを確認します。

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おわりに

今回の検証では、前回作成したOpen Connectorインスタンスに対してAPIプロキシを設定し、API Business Hub Enterpriseの管理画面よりSlackのChannel作成とメッセージの投稿を実施しました。

他のAPIを利用する際もAPI Business Hub Enterprise Pageを作成することによって、一元的にAPIを実行管理することができますので、管理の利便性が上がります。

今後も本ブログでは、引き続き皆様にお役立ちする情報を提供していきます。

参考

Open Connectors、API Managementを利用したチュートリアル(前回と今回のBlogで実施)