SAPのソリューション

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進などの経営課題の解決に向けて、ERPソリューション、クラウドアプリケーションや開発・運用基盤を組み合わせて、グローバルなエコシステムを構築のためのソリューションです。

お客様の課題

業種や規模によって企業の課題は経営課題、業務課題、システム課題など多様です。さらにそれぞれ課題は単一分野の課題だけではなく、相互に関連することで複雑になっています。

GSLが提供するサービス

様々な業種に関する技術・ノウハウに裏付けられたソリューション力をベースにした豊富な SAP Business-all-in-one テンプレートワンストップサービス体制で、導入から保守までをサポートします。

お役立ち情報

NTTデータGSLは日本企業のDX推進やグローバルビジネス展開の支援を提供しています。
GSL Tech Blogでは、最新技術に関するノウハウやナレッジをまとめています。
GSLコラムでは、製品情報だけではなく、トレンドや基本的な用語の解説などをまとめています。
関連資料ダウンロードでは、お客様の課題やソリューションをまとめた資料を用意しています。
GSLニュースは、SAPソリューションをはじめ周辺系システムとの連携を通じたDX推進など、最新の情報をメールマガジンでお届けします。
GSL University Journalは、企業内大学である「GSL University」における各研究室の教授等によるインサイトや成果報告、社員からの寄稿をまとめております。
ぜひご覧いただき、お役立てください。

企業情報

日系企業のグローバル展開に伴う、システムのグローバル化需要に応えるために、NTTデータグループにおけるSAP事業の中核会社を設立し、国内のグループ会社に分散しているSAPソリューション、業務ノウハウの一体化を図り、戦略的な事業経営を目指します。

SAP Cloud ALMとは?
~SAPシステム管理の頼もしい味方~

2023年3月27日

SAP Cloud ALMは、SAPソリューションのアプリケーションライフサイクル全体を通じて管理を実現する仕組みです。本記事では、SAP Cloud ALMの基本的な機能をはじめ、SAPソリューションのシステム監視に用いるケースなどを分かりやすくご紹介します。ぜひ、ご一読ください。

はじめに

NTTデータ グローバルソリューションズ(以下 NTTデータGSL)に於けるSAP Business Technology Platform(以下 SAP BTP)の位置付けと今回のブログについてご紹介します。

NTTデータGSLに於けるSAP BTPの位置付け

NTTデータ GSLでは、SAP社が提唱するIntelligent Enterpriseの基盤を担うSAP BTPに関するノウハウの蓄積並びにこれを活用したオファリング開発に注力しています。

今回のブログについて

SAPシステムを含むシステム管理の効率性の向上は、古今東西の運用管理担当者において共通のお悩みだと思います。NTTデータGSLも多くのお客様のシステムを構築から運用までお付き合いをさせていただいていますが、皆様同じ悩みを抱えています。

では、SAPシステムの運用管理に関わる全ての皆様に必見のツールとは!?それが今回のblogでご紹介する、ご存知SAP Cloud ALMです。

ほほぉ、その必見のSAP Cloud ALMはどのようなツールなのか?ここからSAP Cloud ALMの基本的な機能を具体的にご紹介します。

まずは序章としてお読みいただき、ご興味をもたれ、SAP Cloud ALMを活用していきたい!

というお客様とより良い運用管理環境を構築して参りたく、お声掛けをお待ちしています!! お問い合わせは こちら

SAP Cloud ALMとは

製品紹介

SAP Cloud ALMは、SAPソリューションのアプリケーションライフサイクル全体を通じて管理する仕組みです。

SAP S/4HANAの導入・移行のフレームワークであるActivate、並びに全世界のSAPユーザのお客様から得た業務知識を元に標準テンプレート化したBest Practicesといった、プロセス、ツールやサービスを含んでいるので直ぐに実践的で有効な活用が可能です。

プロジェクト特性に応じて選択するテンプレートを元にして、ユーザが中身を熟知していなくても自動的に様々なタスクを設定することができます。もちろん、プロジェクト要件の管理やテスト管理も含んでおり、個別にカスタマイズをすることなくスピーディなプロジェクトの立ち上げから着実な推進まで一貫してサポートします。

SAP Cloud ALMには今回のblogでフォーカスするSAPソリューションの監視やサービスの可用性確認をSAP製品と親和性高く実現する機能があります。

また、運用の自動化機能も備えているので、管理台数が増える毎に工数が漸増する運用業務の効率化が実現可能といえます。

what-is-sap-cloud-alm-1.png

SAP Cloud ALMの機能とは

導入編

SAP Cloud ALMのImplementation(導入)の機能を下図に記載します。

what-is-sap-cloud-alm-2.png

運用編

SAP Cloud ALMのOperations(運用)の機能を下図に記載します。

what-is-sap-cloud-alm-3.png

SAP Cloud ALM for Operationsを用いたヘルス監視

システムの全体的なパフォーマンス維持および安定運用を図るために必須のCPU使用率を監視することを目的に、ヘルス監視の機能を実際にSAP BTP上に設定しました。なお、検証時の全体の構成を簡略化したイメージは下図の通りです。

SAP Cloud ALM(監視する側)から、SAP BTP上に構築したPaaSの開発基盤であるABAP環境(監視される側)のCPU使用率を確認します。

SAP Cloud ALMで監視を実施するためには、SAP BTPとABAP環境への接続許可をユーザで実施する必要があります。

その後にSAP Cloud ALMの画面からCPU使用率を確認しました。

what-is-sap-cloud-alm-4.png

接続手順

こちらのリンク(SAP Support Portal (日本語サイト)ページ内記事にリンクします)を参照し、SAP Cloud ALMの監視対象であるABAP環境の接続を行いました。設定方法の概要は下記の通りです。

監視対象の環境側(ここではABAP環境を指します)で許可設定をすることで、SAP Cloud ALMが接続先環境を認識できます。

※SAP社が提供するSaaS製品との接続設定方法については、こちらのリンク(SAP Support Portal (日本語サイト)ページ内記事にリンクします)から確認ができます。

  • SAP BTPコックピットでの作業
    • 1-1 「宛先」にSAP Cloud ALMの接続情報を登録します。

    • 1-2 SAP BTPとSAP Cloud ALMを連携させるためにインスタンスを作成します。

  • ABAP環境での設定
    • 2-1 「通信の手配」からSAP BTPコックピットの接続サービスインスタンス(1-2で作成)に接続するための接続情報を設定します。

    • 2-2 SAP Cloud ALMに情報を連携するための接続設定を行います。

    what-is-sap-cloud-alm-5.png

    監視状況の確認

    ABAP環境との接続ができましたので、SAP Cloud ALMにログインし、実際に監視状況を確認していきます。SAP Cloud ALMのヘルス監視よりABAP環境のシステム状況を確認しました。

    • SAP Cloud ALMにログインする。
    • ABAP環境のHANAデータベースのリソース使用状況を監視するため、ヘルス監視のタイルを選択します。
    • what-is-sap-cloud-alm-6.png

    • HANAコンピュートユニットでは、CPU/ディスク/メモリの3項目が確認できます。どの項目が何を示しているかは、履歴横のボタンをクリックし、表示されるグラフから確認できます。
    • what-is-sap-cloud-alm-7.png

    • 履歴ボタンをクリックするとグラフが表示されます。
    • what-is-sap-cloud-alm-8.png

おわりに

感想と賢明な読者の皆様へ今後に期待することは以下になります。

今回の検証を踏まえた感想

✔ 事前に調査した際に読み解いたSAP社の情報の分量には少し取っ掛かりに怯んだが、実際のセットアップの作業は簡単で設定完了までのハードルは低かったです。

✔ 別途、監視ツールを導入せずにSAPシステムを監視できるので、ライセンスの更新などの保守が楽になるのではないかと思いました。

→ SAP製品以外の3rdパーティの利用は過去では当たり前であったがライセンスを含む種々の管理工数を低減可能です。

✔ なお、残念ながら現時点ではドキュメントや情報の検索は容易ではなく、一定程度以上のSAPシステムに関する知識や経験はMUSTです。

→ 情報が纏まっているとされるサイトはあるものの、SAP Support Portalに比較するとまだまだこなれていません。

✔ 監視の対象とする製品毎に監視できる項目が異なり、過去の経験に基づく監視要件には不足する可能性が高いです。一方で監視できる項目(今回の検証ではCPU使用率)については、従来の監視ツール同様の監視ができます。

→ SAP BTP上のシステム監視ならSLAに纏わる項目はSAP社に任せる、既存の監視ツールを流用するなど割り切りが必要です。

SAP Cloud ALMはEnterprise Supportの契約のもと追加費用なし利用可能なツールではありますが、トラブル発生時や保守運用には大きな効力を発揮します。

また、今後も次々と新機能が追加され、ますますSAPシステム管理者に頼りになるツールになるでしょう。

NTTデータGSLではSAPシステムの導入支援や運用のサービスを提供しています。

SAPシステムの導入や運用保守でお困りごとがありましたら、下記よりお問い合わせください。

お問い合わせ

お問い合わせは下記フォームから受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。